認定NPO法人REALs(リアルズ:旧日本紛争予防センター)は争いを予防し、人と人が共存できる社会をつくる国際NGO。ご寄付は寄付金控除の対象になります。
争い、暴力や虐待などの被害を受けたり、誰かを傷つける側に回ってしまった人々、社会での孤立や生きづらさを感じる人々に、立ち直る拠りどころとなる心理社会的サポートを行います。現地の人材をコミュニティワーカーとして育成し、持続的に必要なサポートを提供するしくみをつくります。心理社会的サポートの手法をツールとして活用することで、性被害・家庭内暴力など表面化しづらい問題や、テロや暴力の担い手となった・なる可能性が高い人々を早期に特定し対応するしくみも整備します。
対応するSDGsの目標
1.「人」を変える
2.「しくみ」を変える
3.「社会」を変える
ケニア・ナイロビのスラム地区における活動
REALsがケニアの首都ナイロビのマザレ・スラムの若者たちを、心理社会的サポートを行うコミュニティワーカーとして育成し始めたのは2009年でした。若者たちは、争いによるトラウマ、虐待、ネグレクト、性暴力などの被害者や加害者に対し、家庭訪問による被害の特定、セラピールームでのケア、絵や創作活動を通じて子どもにも効果的なアートセラピーを通じた支援などを提供し、生きづらさを感じる人々の重要な受け皿となっています。コミュニティワーカーは、地域の問題解決のために無償で活動する若手リーダーとして尊敬を集める存在です。スラムの子どもたちにとっても、貧しい環境でも犯罪ではなく解決の担い手となる道を示すロールモデルになっています。 コミュニティワーカーたちが安定的に収入を得て無償のコミュニティ活動を継続できるよう、REALsはビジネス研修や起業の資機材などのスタートアップキットの提供も行いました。
この活動の成果
テロのトラウマを乗り越え、支援の担い手に
ケニアに住むネリー(23歳、女性)は、乗っていたバスがイスラム系過激派組織によるテロにより爆破されました。以来彼女はイスラム系やソマリア系の住民に否定的な感情を持つようになり、キリスト教徒の自分が再び標的になる恐怖から日常生活にも支障が出ていました。しかし数カ月後にはネリーの周囲は「事件は過去のことだからもう気にするな」と言うようになり、彼女は孤独感を強めていました。 そんな彼女に、通っていた教会の牧師がREALsのコミュニティワーカーに相談することを勧めました。REALsコミュニティワーカーは彼女の気持ちに寄り添い、事件を記憶から消すのではなく何が起きたのかを徐々に理解するようネリーを励まし、セッションを続けました。 ネリーは、次第に趣味も再開し以前の自分を取り戻していきました。再び公共交通機関を使えるようになり、新たな仕事も見つけました。新しい職場に同僚にソマリア系の同僚も多くいましたが、セッションで自分と向き合ったことで違いを認め合う大切さを受け入れるようになりました。彼女は地域ボランティアにも登録し、テロの被害女性への支援活動に参加するようになりました。REALsが実施した啓発イベントでは、平和に貢献するピース・アンバサダーとして、民族間・宗教間の共存の重要性、固定観念を持つことの危険性を訴えています。テロの恐怖を乗り越えたネリーは「次は被害者とコミュニティの人々を自分が支援することが使命」と活動を続けています。
【紛争下の心のケア】日本発の国際NGO、シリアの紛争により避難生活をする人たち4,000人に新たに支援を届ける。スキル習得のためのワークショップも開始
プレスリリース
コミュニティワーカーとして活動をはじめた人たちの現在地(シリア)
シリア
#世界難民の日|大切な人との別れや紛争の恐怖が「心」に与える打撃
トルコ