- シリア
- 心のケア
シリア | 平和構築への欠かせない一歩
シリアでは、アサド政権の崩壊後、空爆は止まりましたが、崩壊し分断した国で新たな争いが起きるのか、安定した社会づくりに向かうのか、その岐路にシリアの人々は立っています。REALsは、シリアの人々と共に平和への道を歩むための活動を展開しており、その重要な支援活動の一つが「心のケア」です。
長く続いた内戦で、命の危機や家族の喪失、過酷な避難生活を経験したシリアの人たちは、心に大きな傷を負っている人は少なくありません。心のケアは、トラウマや精神的影響を和らげ、暴力の連鎖を防ぐために必要なものです。
平和な未来を築くためには、個人やコミュニティが抱える心理的・社会的課題を早期に把握し、対応することが重要です。そのため、REALsは心理カウンセリングの提供やトラウマを和らげるワークショップの開催など、様々な心理的社会支援を行っています。

REALsの心理的社会支援を受けた女性のストーリー リナさん(仮名・30代女性)は、REALsの支援を受けた一人です。彼女は夫と4人の子どもと暮らしていましたが、紛争が始まると死への恐怖に常に苛まれ、深刻なうつ状態に陥りました。 「慢性的な頭痛や手足のけいれんに苦しみ、眠ることもできませんでした。でも何よりもつらかったのは、この恐怖を子どもたちに引き継いでしまったことです。子どもたちはまるで私の不安を受け継いだかのように、常にパニック状態で生きるようになってしまったのです」 転機は、REALsのスタッフが彼女の家を訪れたときに訪れました。スタッフは共感的な姿勢でリナさんに接し、彼女が自分の苦しみを語ることができる安全な場を提供しました。 「スタッフの方がとても優しく接してくれたので、自分の苦しみを話すのは難しくありませんでした。彼女は私の痛みを本当に理解してくれて、心の奥底にしまい込んでいた言葉を引き出してくれたように感じました」 リナさんは深呼吸法やリラクゼーション技術、家族関係の再構築についてのアドバイスを受け、少しずつ回復していきました。 特に顕著だったのは、夫や子どもたちとの関係の改善です。彼女は緊張が減り、怒りや不安ではなく、愛情をもって家族に接することができるようになりました。 |
心の回復は、社会の再生への第一歩です。REALsは、シリアの人々とともに、平和へと続く未来をつくるために、活動を続けています。 |
※この活動はジャパン・プラットフォームによる助成と、皆様からのご寄付により実現しています。