争い予防

認定NPO法人REALs(リアルズ:旧日本紛争予防センター)は争いを予防し、人と人が共存できる社会をつくる国際NGO。ご寄付は寄付金控除の対象になります。

争い予防

REALsの活動方針

紛争、テロなどの暴力的過激主義、社会的な暴力の原因と予兆を分析し、未然に防ぐための早期警戒・早期対応の取り組みを行います。発生してしまった争いに対しては、さらなる悪化を防ぐための調停や解決を行う人材を育成し、解決と再発予防の持続的な仕組みを整備します。

対応するSDGsの目標

  • 貧困をなくそう
  • 質の高い教育をみんなに
  • 働きがいも経済成長も
  • 平和と公正をすべての人に
  1. 1.「人」を変える

    • ・コミュニティで紛争予防・過激化予防を担う人材の育成
    • ・(元)戦闘員、戦闘員予備軍、被害者の特定と脱過激化・社会復帰支援
  2. 2.「しくみ」を変える

    • ・戦闘員の勧誘予防のための相談・カウンセリング窓口の設置
    • ・紛争・暴力予防メカニズムの構築
    • ・起業・就業支援を通じた現地人材の持続的な活動体制の整備
  3. 3.「社会」を変える

    • ・テロ・暴力的過激化対策の国家戦略・行政戦略の策定
    • ・コミュニティ主導によるテロ・紛争予防の行動計画の策定と実行支援
    • ・行政、警察、コミュニティ団体、住民間の協働体制の整備紛争・テロ・暴力予防のための住民啓発

具体的な活動例

被害者の視点で危険を特定し、争いと犯罪を未然に防ぐ

ケニアの首都ナイロビのキアンビウ・スラムでは、⺠族対立や暴力、女性に対する性犯罪が多発していましたが、警察への不信感から事件を通報しない住⺠が大半で、治安の悪化が進む一方でした。 そこでREALsは、住⺠女性や若者を選定し研修を行ったうえで、暴力や犯罪の被害に遭いやすい女性の視点で暴力や犯罪の起こりやすい場所などの調査を行い、危険な場所・原因・予防策を特定しました。調査結果を行政、警察、指導者、学校やコミュニティに住⺠参加型で共有するしくみを整備したほか、コミュニティ内で争いや暴力に発展しそうな事案をREALsが早期に特定し、警察や行政に伝達し即応する早期警戒・早期対応のしくみをつくりました。

この活動の成果

  • ・警察が対応できなかった争いの事案を年間844件発見し、うち624件を解決に向け対応、247件をREALsが独自に解決。
  • ・夜間に女性への性犯罪が多発する地域に25か所の街灯を新設するよう行政に働きかけ、被害が大きく減少。
  • ・警察が犯罪多発地区で防犯パトロールを重点的に実施するようになった。
  • ・相互不信にあった警察と住民が協力体制を築くようになり、警察に通報される事件数が1年間に1.5倍増加。
  • ・治安調査で74%の女性住民が「事業開始前より治安が改善した」と回答。

現地にもたらした変化

テロ組織の元メンバーの更生

ケニアの首都ナイロビに住む26歳のサイードは、ソマリア系住民が多数住むイースリー地区を拠点にするギャングのリーダーでした。その後、過激派組織の勧誘動画を観るようになり、イスラム系武装勢力アル・シャバーブへの加入を決めたサイードは、ソマリアに向かいましたが、軍に見つかり拘束されました。
サイードは人生の目標を見失い、社会にどうなじめばよいのか分からない状態だった時に、REALsが育成したコミュニティワーカーのリーダーを務めるヤシンに出会いました。脱過激化の心理社会的サポートを受け、サイードの人生は少しずつ変わり始めました。サイードは、不安を解消するため過激思想に染まっていたこと、思想や行動を過激化して問題から逃れるのではなく建設的な方法で解決すべきとセッションを通じ気づいていき、同じ過ちを繰り返さないことを決めました。REALsの啓発イベントで行政区長から「平和の担い手になってほしい」と呼びかけられたサイードは、自分の生きる意味を見つけたと感じました。
今では、サイードは過激な思想から抜け出した人々のリーダーとして、率先して過激的思想の危険性を伝えています。さらに、かつて過激派組織に属していたメンバーと共に新しい若者グループを結成し、過激派組織の勧誘リスクの高い若者、また過激派組織などに所属していた若者の更生を支援する活動をしています。

活動レポート

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