アフガニスタン緊急支援:過酷な食料危機に直面する世帯への食料配布事業を開始
認定NPO法人REALs(Reach Alternatives)(東京都新宿区、理事長瀬谷ルミ子、以下REALs)は、2022年2月より、アフガニスタン中央部にて、過酷な食料危機に直面している人々に対して、緊急支援として食料配布事業を開始しました。
本事業では、現地支援団体と提携し、特に深刻な食料危機が懸念されている中央部に暮らす困窮した世帯や女性や子ども、高齢者の世帯など、特に脆弱性の高い2,200世帯(15,400人)に対し、深刻な食料危機を生き延びるための食料バスケットを配布します。
アフガニスタン、食料危機の深刻化
アフガニスタンでは昨年8月の首都カブール陥落から現在に至るまで、以下により深刻な食料危機が発生しており、命を守るための食料支援が喫緊の課題となっています。
- ・紛争による国内避難民の発生(2021年1月~9月で63万人以上)。
- その多くは冬期には氷点下数十度にもなるなかで防寒具も満足に入手できない生活を強いられています。
- ・経済制裁による失業および社会経済活動の麻痺
- ・2021年の深刻な干ばつによる食料生産への打撃
2021年10月のWFPの報告によれば、アフガニスタンの93%の世帯が十分な食事をできておらず、急性栄養不良で死亡する恐れの子どもが100万人とされています。また、上記のような深刻な食料危機を生き延びるための負の対処法として、児童婚や幼児の人身売買も確認されています。
上述に加え、今後経済制裁、失業率の上昇、避難民の増加などの要因により、さらに食料の入手が困難になっていく可能性があります。一方で、ニーズに対する支援の手は圧倒的に不足しています。2021年11月時点、同国内では900万人以上の人が食料ニーズを抱えていたにもかかわらず、実際に食料支援が届けられたのは1万8000人程度にとどまりました。
REALsのアフガニスタン食料配布事業の概要
このように切実な食料危機とそのさらなる深刻化の可能性を受けて、REALsは困窮した人々や、女性や子ども、高齢者などの特に脆弱な世帯の人々が命を落とすことを防ぐために、食料バスケットの配布を実施します。
事業対象地は特に深刻な食料危機が予測されているアフガニスタン中央部のカブール州、カピサ州、ロガール州、パンジシール州、パルワン州、ワルダック州のなかから、食料配布の実施時期が確定した時点で食料のニーズに対して最も支援が不足している1州~複数州を選定します。
配布対象は2,200世帯(約15,400人)を予定しており、過去4カ月間他の支援団体からの援助物資を受け取っていなかったり、女性、子ども、障碍者、高齢者が世帯主であったりするなど、特に脆弱で命の危機に陥っている世帯を選定・登録します。選定・登録された世帯には、小麦粉や米、マッチ、粉ミルクなど1世帯8人に対する1か月分の食料が入った食料バスケットを配布します。
この事業は、社会経済が一定の落ち着きを取り戻すまでの間、差し迫った生存に関わるニーズを満たすとともに、命を守るための児童婚や人身売買などの負の対処法を防ぐことで、緊急的に命と生活をつなぐことを目的としています。
本事業はREALsへのご寄付と、ジャパン・プラットフォームの助成により実施しています。
※REALsでは、2021年8月からアフガニスタンで命の危険にさらされている人たちの国外退避・保護を支援しています。詳しくはこちらをご覧ください。
認定NPO法人REALs (Reach Alternatives)とは
REALsは「紛争・テロ・社会的な暴力」を防ぎ、乗り越え、共存できる社会の実現に向けて争い予防に取り組む特定非営利活動法人です。現在は、ケニア、ソマリア、南スーダン、トルコ、シリアで争いの当事者とともに問題の予防・改善・解決に向けて活動を行っています。2021年8月からはアフガニスタンで命の危険にさらされている人たちへの国外退避・保護支援も行っています。