二宮 秀彰さん(2014年)
私が日本紛争予防センター(JCCP)でのインターンに応募した理由は、おおまかに3つありました。1つめは、これまで大学・大学院で学んできた国際関係、特に紛争という分野について、学問としてではなく実務的に携わってみたいと考えたこと。2つめは、「NGO」という、民間企業でも「国」の機関でもない組織の運営に興味が湧いたこと。3つめに、日本を越えて、海外の人たちと日常的に接触がある環境で働いてみたいと思ったこと。インターンに応募した際には、JCCPや、他のNGOに関する詳しい知識はありませんでしたが、「紛争予防」というユニークな分野で活動を行うJCCPという組織でのインターンに対して、漠然とした期待をもっていました。
インターンの仕事
JCCPでのインターンの業務には、様々なものがあります。まず、私が受け持った業務の中で大きなウェイトを占めたのが、広報関係のものでした。その中でも、四半期ごとに発行しているニュースレターの編集・発行と、Facebookを通じた情報発信が、主な業務でした。私はこのインターンシップに参加するまで広報について特別に関わってきたことはなかったのですが、周りのスタッフに助言をいただいたり、自分自身で勉強したりする中で、少しずつ業務を進めていくことができました。文章の執筆・編集能力、インターネット上の情報を管理する能力だけではなく、デザイン系のソフトを使う能力も身につけられましたられるよう努力している最中です。
また、インターンとして、紛争地で実施されているプロジェクトに接する機会も多いです。具体的には、プロジェクトの会計関係の資料を整理したり、活動地から送られてきた資料をもとに支援者や一般の方向けの資料を作成したりします。また時には、プロジェクトを立ち上げる際の事前調査などを任されることもあります。その他にも、報告会などのイベントの企画・運営、支援者の方々への応対など、NGOの運営に関わる業務も多くあります。バラエティに富んだ仕事に携わることができ、JCCPという組織について総合的・俯瞰的に理解することができます。
JCCPはオープンかつフラットな組織なので、主体的に動くことは歓迎されます。何か思いついたこと、やりたいこと、変えてみたいことがあれば、他のスタッフへの相談を通じて取り組むことのできるようになることは多いのではないでしょうか。一方で、自分自身のスケジュールに不都合が生じた場合も、他のインターンと調整をすることが比較的容易な環境だと思います。
私自身がインターンに応募した理由には上にあげた3つがありましたが、①「紛争」について実務的にとらえること、②NGOの運営について理解を深めることについては、おおむね達成されつつあるのではと感じています。③国際的な職場で経験を積むことについては、東京本部事務局は日本がその主な活動の舞台となるため、予想した以上に日本での活動に重きがおかれているという印象を受けました(もちろん、英文資料を読んだり、国外からのメールに応対したりする機会は日常的にあります)。しかし、これは現在日本のNGOが置かれている状況を反映しているといえ、裏返せば、NGOによる紛争予防の活動の「生」の運営を体感した結果といえるかもしれません。
JCCPでのインターンを考えている方へ
JCCPでのインターンシップは、日本で「紛争予防」「平和構築」といった分野での活動に携わることのできる数少ない機会です。紛争や平和に関してもっと理解を深めてみたいという方がいらっしゃれば、学ぶことは多いのではないかと思います。
また、「NGOの活動に関心がある」「広報や情報発信の業務をNGOで行ってみたい」といった方にとっても、このインターンシップは有意義な機会になるのではないでしょうか。もちろん、紛争や平和についての関心は必要ですが、「よく分からないけど、だからこそもっと知ってみたい」といった心構えを持つことも、大事ではないかと思います。
JCCPでのインターンでは、仕事の中で学ぶことも多いですが、一方で、研修や勉強会もよく行われています。瀬谷ルミ子JCCP理事長とお話することができたり、国際機関の方々を招いての勉強会に参加したりといった貴重な機会も用意されています。また、JCCPには、国際機関で働いていた人、民間企業で働いていた人、大学生や大学院生など、色々なバックグラウンドを持った人が集まっています。JCCPでのインターンシップは、多くの人の考えを聞き、自分自身で考えを深めるよい機会となるでしょう。
インターンという立場であっても、JCCPで行う活動は、紛争地の支援に確実につながっています。皆様とご一緒に勤務できる日が来ることを、JCCPスタッフ一同、楽しみにお待ちしています。