【トルコ・シリア大地震】震源地となったトルコ・カフラマンマラシュ県で、 4,400人の被災者に食料・生活用品の支援を届けます

認定NPO法人REALs(リアルズ:旧日本紛争予防センター)は争いを予防し、人と人が共存できる社会をつくる国際NGO。ご寄付は寄付金控除の対象になります。

REALsからのお知らせ

【トルコ・シリア大地震】震源地となったトルコ・カフラマンマラシュ県で、 4,400人の被災者に食料・生活用品の支援を届けます

 認定NPO法人REALs(Reach Alternatives)(東京都新宿区、理事長瀬谷ルミ子、以下REALs)はトルコ共和国カフラマンマラシュ県で、7月末から4,400人の被災者を対象に食料・生活支援を行います。


 2023年2月6日に発生した
トルコ・シリア大地震により、トルコでは5万人以上が命を落とし、910万人が被災しました。震源地となった同県では、4月初頭時点で人口の6割にあたる73万人近くが避難生活を続けています。


 支援が不足するなかで、半数以上の被災者は財産を切り崩して避難生活を送っており、避難生活が長引くことによりさらに困難な状況に置かれています。またシリア難民など特に支援を受けづらい立場に置かれている人たちもいます。


 大地震がいまも社会を揺るがすなかで、弱い立場に置かれた人たちが危機的な状況に取り残されないよう、支援を届ける必要があります。REALsは震災発生直後からトルコとシリアで被災者への緊急支援を行ってきました。このたび、さらにいまだ支援を受けていない家庭、生計手段を持たない家庭など4,400人を対象に、2か月間にわたり食料・生活用品の支援を届けます。 

被災後の街の風景。手前の建物が倒壊しており、救助のゼッケンをつけた人が集まっている。左手前にショベルカー2台
大地震の震源地となったトルコ・カフラマンマラシュ県にて、2023年2月撮影

人口の6割が被災、大地震で被災した衝撃

 202326日、トルコ・シリア大地震が発生しました。トルコ全体で910万人の被災者(※1)が出るなか、震源地となったカフラマンマラシュ県では、人口の約6割にあたる73万人が避難生活を続けています(※2)。避難生活を送る人のほとんどが家や持ち物のすべてを失い、日々の食べ物や生活用品を支援に頼る状況です。

 支援を受け取っていない被災者は、自身の財産を切り崩しながら避難生活を送っています。そのなかで、働き手がいない家庭、女性を世帯主とする家庭、乳幼児や子どもの多い家庭など、社会のなかで弱い立場に置かれやすい人たちが被災によりさらなる苦境に立たされています。

 また、カフラマンマラシュ県はシリア国境に近く、シリア難民が約9万人居住しています(※3)。シリア難民は被災者への公的な現金給付が得られにくいことに加え、地域コミュニティからの疎外により救援物資も受け取りづらい状況に置かれています。一方で、地震による混乱や不安のなか、空き巣や略奪の犯人をシリア難民と決めつけたり、シリア難民に対するヘイトスピーチや暴力が発生したり、シリア難民を巡った受け入れ社会での緊張が表出しています。

 

(※1)OCHA(国連人道問題調整事務所) 2023年4月11日

(※2)Shelter Sector Turkiye 2023年4月3日
(※3)トルコ内務省移民管理局 2023年4月7日

青いテントの下に2人の人が座って話している。左手は被災者の女性、右手はヒアリングに訪れたスタッフ。 灰色のテントの前で4人の人が話している。左手の3人は被災者の女性で、1人は赤ん坊を抱いている。右手はヒアリングに訪れたスタッフの女性。

2023年5月末、被災者への戸別訪問。テントやバラックでの避難が続いています

支援から取り残された被災者に、2カ月分の食料・生活用品を支援

 REALsは震災発生直後から、トルコとシリアで被災者への緊急支援を行ってきました。


 上記のような厳しい状況が続く現状を踏まえ、支援の手から取り残されている被災者を支えるために、REALsは4,
400人を対象に2カ月分の食料・生活用品の配布支援を行います。より緊急性の高い状況にある方に支援を届けるために、事前に聞き取り調査を行い、以下に該当する家庭を優先して配布対象とする予定です。

 

  •  ・被災後公的支援を受けることができていない
  •  ・生計手段がない
  •  ・女性が世帯主
  •  ・障がい者、高齢者、子どもが世帯主
  •  ・慢性的な病気、もしくは身体障がいがある人がいる
  •  ・孤児を育てている
  •  ・5歳以下の子どもや、妊娠/授乳中の女性がいる家庭
  •  ・家族の大人の数に対して子どもの数の比率が高い

 

 配布対象の選定にあたっては、出身や国籍、難民の別なく、上記にあてはまる支援ニーズが高いと判断される家庭に支援を届けます。

 

 現地では食料や生活用品の流通が回復しつつあるため、支援は現物支給ではなく、食料・生活用品を購入できるプリペイドカードで行います。1家庭あたりの支援額は、トルコでの1ヶ月分の食料・生活用品代750トルコリラ(6,990家族の人数分で、この額を2か月にわたり支給予定です。現物支給ではなくプリペイドカードで支援することにより、各家庭がそれぞれに必要とする物品を選んで購入することが可能になります。また、被災後の現地市場への支援にもつながります。

 

 大地震がいまも社会を揺るがすなかで、過酷な状況に取り残される人が出ないように、また社会のなかで分断が深まっていかないように、REALsはトルコでの支援活動に取り組んでいきます。

 

 本事業はジャパン・プラットフォーム(JPF)の助成とご寄付により実施いたします。

REALsのこれまでの緊急支援

 2023年26日のトルコ・シリア大地震発生後、REALsはすぐに緊急支援を開始し、トルコ・シリアで以下の緊急物資配布を行いました。以下の活動は皆さまからのご寄付により実現いたしました。

 

トルコ:約2,631人(545世帯)に緊急物資を配布

  • ハタイ県(被災地域): 食料、調理用具など
  • メルスィン県(約5万人の被災者の避難先地域): 衛生用品、靴など

シリア北西部:954人(178世帯)に緊急物資を配布

  • マットレス、ブランケット、調理用具など

 

 REALs2015年からトルコで活動し、シリア難民支援やトルコ人住民とシリア難民の共存促進に取り組んできました。また、2020年にトルコ西部でエーゲ海沖地震が発生した際は、被災者への食料・生活用品支援を行いました。

認定NPO法人REALs (Reach Alternatives)とは

REALsのロゴ 
REALs
は争い予防に取り組む認定NPO法人です。現在の活動地は、アフガニスタン、シリア、トルコ、南スーダン、ソマリア、ケニアです。REALsは紛争やテロなどの争いを防ぎ、人と人が共存できる社会の実現を目指しています。争いの当事者となった人たちが、主体的に問題の予防や解決に取り組んでいけるように、REALsは現地での人材育成や争い予防のしくみづくり、社会のネットワーク構築などを行っています。 

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