【南スーダン】物資が不足する避難民キャンプで、女性・少女の尊厳と健康を守るキットを配布
日本発国際NGOのREALs(リアルズ)は南スーダンの国内避難民キャンプにて、女性と少女の尊厳と健康を守る衛生用品や生活用品を集めたキットと、より安全な生活を送るためのシェルターキットやシェルターに関する物資を配布する支援プロジェクトを始動させます。
【概要】
認定NPO法人REALs(リアルズ・Reach Alternatives)(東京都新宿区、理事長瀬谷ルミ子、以下REALs)は南スーダンの首都、ジュバ市に位置するマンガテン地区の国内避難民キャンプにて、2024年3月末~2024年8月の間、女性や少女への支援として、生理用品、石鹸などの衛生用品や生活用品など女性の尊厳と健康を守る物資の入ったキットを配布します。
国内避難民キャンプでは、スーダンから帰還した人たちなど人口が増加傾向にあり、修復が必要なシェルターで生活している人もいます。また狭いシェルターでの厳しい避難生活によるストレスから家庭内暴力も起きており、その被害者は女性や子どもとなるケースがほとんどです。女性や子どもの尊厳が守られるよう、間仕切りとなる衝立などシェルターでの生活に必要な物資を配布。また修復が必要なシェルターに住むなどプライバシーが十分確保されていない状態で生活する一部の人にはシェルターキットの配布を行います。
マンガテン国内避難民キャンプで過ごす子どもたち
◆貧困から食料の購入を優先し、生理用品を買えない女性や少女たち
南スーダンでは、武力紛争が国内の様々な地域で散発的に発生し、住むところを失った人たちが増え続けています。2024年には南スーダン全人口1,240万人のうち推定900万人が人道支援を必要とする危機的状況に陥るとされ、うち約78%が女性と子どもです。 ※
※ South Sudan: Humanitarian Programme Cycle 2024
部族対立や犯罪による影響に加え、国内避難民キャンプと地元住民との間で、不足する資源を巡る対立が発生しており、緊張や治安の悪化の原因となっています。さらに2023年の4月に勃発したスーダンにおける武力衝突から新たにスーダンより帰還した人たちが加わり、キャンプの人口は増加。また、元から避難民キャンプで暮らしていた人たちにとっても仕事を得ることは難しく、多くは皿洗いといった日雇いの仕事でその日暮らしの生活をせざるをえない不安定な状況です。まずは生きるための食料を優先せざるをえません。そのため貧困から生理用品を購入できない人もおり、月経の期間は衣服が汚れるため外に出られず、衛生的にも問題があり、健康に影響を及ぼすこともあります。
マンガテン国内避難民キャンプに設置されたシェルター
◆シェルター用の物資はプライバシーの保護や家庭内暴力の防止
シェルターで生活をしている人たちは壁もほとんどない狭いスペースで家族と生活をしています。常に家族の誰かと顔を合わせている状態で、厳しい避難生活でストレスを溜めた人が目の前にいる女性や子どもに不満をぶつける家庭内暴力も起きています。狭くても間仕切りとなる衝立があれば、お互いに距離を置くことで衝突を避けたり、家族から離れてひとりでほっとできる時間を取ることができます。このような落ち着ける空間を得られない環境にいる人たちにとって、一枚の「壁」が争い予防と心の癒しとなることもあるのです。
◆支援内容
女性や少女の健康と人権を保護し、暴力から守るため、REALsは以下の支援を行います。
・生理用品など女性や少女が尊厳や健康を守るために必要とする物資が入ったキットの配布(900人)
・避難下においても尊厳を持った暮らしができるようシェルターに関する物資を配布(800人)
【支援対象者】
マンガテン国内避難民キャンプの住民:1,700人
水や食料など様々な支援が必要とされるなか、見逃されがちな女性や少女の健康や安全を保護することは人権や尊厳を守ることに繋がります。紛争中では被害者になりやすい女性をジェンダーに根差した暴力から防ぐ、また争い予防の担い手の女性を育成するなど、REALsは全ての事業においてジェンダーの視点を取り入れ活動しています。
本事業はジャパン・プラットフォーム(JPF)の助成と REALsへのご寄付により実施いたします。