リアルズとUN Women、トルコ大地震の教訓をもとに女性を守る防災ガイドラインを発行
概要
争いを予防し、人と人が共存できる社会をつくる認定NPO法人REALs(リアルズ:リーチ・オルタナティブズ、理事長:瀬谷ルミ子)は、UN Womenトルコ事務所との協働のもと、日本政府の資金支援により、「ジェンダーに配慮した防災ガイドライン」のトルコ語版と英語版を発行いたしました。
UN Womenは、女性の権利促進とジェンダー平等の実現を使命とする国連機関です。
本ガイドラインは、2023年2月に発生したトルコ大地震の現場経験を体系化するとともに、日本の災害対応の知見を反映して作成された、トルコの市民社会団体向けの実践的防災ツールです。災害時に女性と女児が直面する特有のリスクを軽減し、女性を「支援対象」ではなく「防災の主体」として位置づけることを目的としています。

プロジェクトの内容
2023年2月6日に発生した大地震は、トルコ南東部を中心に甚大な被害をもたらしました。5万人以上が命を落とし、大地震から3年が経過した現在も多くの人々が仮設居住地で生活を続けています。
特に女性と女児は、以下のような深刻な課題に直面しました。
・避難所におけるプライバシーの欠如
・ジェンダーに根付いた暴力(GBV)のリスク増大
・性と生殖に関する健康に係るサービスへのアクセス不足
・無償ケア労働の急増
・意思決定のしくみからの排除
災害は既存のジェンダー不平等を拡大させます。
同様の課題は、2011年の東日本大震災でも顕在化しました。
しかし同時に、女性は地域の復旧・復興を支える重要な担い手でもあります。
今回発行されたガイドラインは、日本の知見とトルコの現場経験を融合し、「予測可能なリスクは事前に防げる」という考え方のもと、将来の災害対応に活かすことを目的としています。
●ガイドラインの特徴
本ガイドラインは、以下を含む実践重視の構成となっています。
- 1. 災害時に女性が直面する予測可能なリスクの整理
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- ・安全・プライバシー・衛生・情報アクセスの課題
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・避難所設計におけるジェンダー視点
- 2.「最低基準(Minimum Standards)」の明確化
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・照明、施錠、WASH配置などの基準
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・ジェンダーに根付いた暴力(GBV)対応の標準手順書(SOP)
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・性的搾取・虐待からの保護(PSEA)対応フロー
- 3. 実践的ツールの提供
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・迅速ジェンダー脆弱性評価(Rapid Gender and Vulnerability Assessment)
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・性別・年齢別データ収集(SADD)の方法
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・公的機関の職員向けサマリーカード
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・女性参加を促す記録様式
- 本ガイドラインは、UN Womenトルコ事務所との連携のもと作成されました。
- ●本ガイドラインが目指すもの
- 本ガイドラインの核心メッセージは以下の通りです。
- 「ジェンダーに配慮した災害リスク削減は特別な施策ではなく、命を守るための最低条件である」
- 本書はトルコにおける以下の変化を目指します。
・女性が防災計画の意思決定に参画する体制
・避難所における安全・尊厳の制度化
・女性主導の現地団体の、被災者への支援を実施するための公式調整メカニズムへの組み込み
・災害対応の質を高めるジェンダー主流化
- 単なる理論書ではなく、現場で即活用できるチェックリスト型ツールであることが最大の特徴です。
- ●今後の展開
- 本ガイドラインはトルコの市民社会団体20団体へ配付する予定です。また今後、市民社会団体と被災者女性100名以上を対象とした、女性に配慮した災害リスク削減のための啓発セッションをそれぞれ実施し、理解促進と意識の向上を目指します。
- 本取り組みを通じて、災害後の対応だけでなく、平時からの準備段階においてもジェンダー視点を組み込む体制づくりを推進してまいります。
本件に関するお問い合わせ先
特定非営利活動法人(認定NPO法人)REALs(リアルズ:Reach Alternatives)
広報担当:新居左由吏
Email:contact@reals.org
TEL:03-5579-8395






