【8/4(日)開催】REALs(リアルズ)×日本ペンクラブ共催イベント「アフガニスタン:脅かされる命と表現」
政変後のアフガニスタンで迫害に直面する女性詩人や作家、ジャーナリストたちの声を、対面・オンラインのハイブリッド開催で伝えます。
アフガニスタン国内で露天に並べられた書籍を手に取る詩人の女性。メディアリポーターとしても活躍していたが2021年の政変後に脅迫状を受け取り、国外退避を余儀なくされた
認定NPO法人REALs(リアルズ、Reach Alternatives)(東京都新宿区・理事長:瀬谷ルミ子、以下REALs)は8月4日(日)、日本ペンクラブと共催でイベント「アフガニスタン 脅かされる命と表現」を開きます。
2021年のアフガニスタン政変から3年、教育や就労をはじめとした女性の権利への著しい侵害が続いています。アフガニスタン国内では詩作も禁じられ、詩人をはじめ作家やジャーナリスト、表現者とされる人たちが沈黙を強いられています。「女性の権利や教育のために活動した」という理由で脅迫状を受け取り、命を脅かされる人たちもいます。
共催イベントでは中島京子(小説家/獄中作家・人権委員長)が司会を務め、鴻巣友季子(翻訳家・文芸評論家/獄中作家・人権委員)、小林エリカ(漫画家・作家/獄中作家・人権委員)、瀬谷ルミ子(REALs理事長)が登壇し、アフガニスタンで抑圧を受ける女性表現者たちの声をお届けします。
◆共催者について
日本ペンクラブ 獄中作家・人権委員会(委員長:中島京子)
日本ペンクラブは言論・表現・出版の自由の擁護、文学の振興と文化の国際交流、世界平和への寄与を目的とした団体であり、国際P.E.N.の日本センターです。
そのなかで獄中作家・人権委員会は、言論活動を理由に獄中にある作家や表現者の救援活動を行い、そうした状況を作り出す政府と国家のあり方を厳しく問う活動をしています。また、文学者の視点から死刑制度など人権に関する議論を深めています。
REALsのアフガニスタン国外退避・保護の活動から、アフガニスタン国内で詩人や作家、ジャーナリストなどの表現者が置かれている状況を知り、今回のイベントに至りました。
REALs
REALsは中東・アフリカ・アジアで紛争やテロなどで争いが起きる前に防ぐ、紛争予防活動に取り組む認定NPO法人です。2021年のアフガニスタン政変以降は、治安が不安定な地域で活動してきた経験を生かし、迫害や殺害予告を受けた人たちの安全を確保し、第3国への退避を実現する活動に取り組んでいます。
およそ3年に及ぶ活動により300人以上が国外退避し、1,000人以上が保護支援を受けています。REALsは女性詩人や作家、女性活動家などからも支援要請を受け、受け入れ国を確保した国外退避を実現させています。そうした人たちが置かれた命の危機、また表現が脅かされる現状について伝えるために、今回のイベントに至りました。REALsの活動は皆様からのご寄付で支えられています。
◆イベント概要
日時:8月4日(日)午後2時~4時
場所:日本ペンクラブ会議室 中央区日本橋兜町20-3
※対面とオンラインのハイブリッド開催です。
参加費:一般・1,000円、学生・オンライン参加・無料
定員:対面:30人 オンライン:500人
ご参加方法:以下Peatixのイベントページよりお申込みください。
◆プログラム
第一部 講演 瀬谷ルミ子
アフガニスタンの現状、迫害される人々の声、REALsの取りくみについて
第二部 1.イギリスに避難しているアフガニスタン女性ジャーナリストのビデオメッセージ
解説/瀬谷ルミ子 聞き手/小林エリカ
2.アフガニスタン女性詩人の詩の朗読
解説/瀬谷ルミ子 聞き手/小林エリカ 朗読/鴻巣友季子
3.アフガニスタンから避難した人々の声
紹介/小林エリカ
◆司会・登壇者について
【司会】
中島京子(小説家/獄中作家・人権委員長)
出版社勤務ののちフリーライターに。アメリカ滞在を経て『FUTON』(講談社)でデビュー。2010年に『小さいおうち』(文藝春秋)で直木三十五賞、15年に『かたづの!』(集英社)で柴田錬三郎賞、『長いお別れ』(文藝春秋)で中央公論文藝賞、20年に『夢見る帝国図書館』(文藝春秋)で紫式部文学賞を受賞した。14年に『小さいおうち』、19年に『長いお別れ』がそれぞれ映画化されている。入管問題を題材にした小説『やさしい猫』は22年に吉川英治文学賞を受賞し、23年にNHK総合土曜ドラマ(全5回)が放映され、2024年に劇団民藝によって舞台化された。
【登壇者】
鴻巣友季子(翻訳家・文芸評論家/獄中作家・人権委員)
主訳書に、ブロンテ『嵐が丘』、ミッチェル『風と共に去りぬ』(以上新潮文庫)、ウルフ『灯台へ』(河出書房新社世界文学全集)、クッツェー『恥辱』、アトウッド『昏き目の暗殺者』『誓願』(以上ハヤカワ文庫)、『獄中シェイクスピア劇団』(集英社)、アマンダ・ゴーマン『わたしたちの登る丘』(文春文庫)他多数。『謎とき「風と共に去りぬ」』『文学は予言する』(以上新潮選書)の論考が高い評価を得る。ほかの著書に、『翻訳ってなんだろう?』(ちくまプリマー新書)など。日本文藝家協会理事。せたがや文化財団理事。最新訳書はアマンダ・ゴーマン『わたしたちの担うもの』(文藝春秋)
小林エリカ(漫画家・作家/獄中作家・人権委員)
目に見えないもの、時間や歴史、家族や記憶、場所の痕跡から着想を得た作品を手掛ける。著書に『マダム・キュリーと朝食を』『トリニティ、トリニティ、トリニティ』(集英社)、コミック『光の子ども』1~3(リトルモア)、『最後の挨拶His Last Bow』(講談社)、『彼女たちの戦争 嵐の中のささやきよ!』(筑摩書房)などがある。主な展覧会に、「りんご前線―Hirosaki Engounters」(弘前れんが倉庫美術館)、「話しているのは誰? 現代美術に潜む文学」(国立新美術館)など。最新刊は『女の子たち風船爆弾をつくる』(文藝春秋)。
瀬谷ルミ子(REALs理事長)
中央大学総合政策学部卒業後、英ブラッドフォード大学紛争解決学修士号取得。過去にルワンダ、シエラレオネ等にて国連PKO職員、NGO職員として勤務したほか、アフガニスタンに外交官として駐在。専門は紛争地の平和構築、治安改善、元兵士の武装解除・動員解除・社会復帰。現在はREALsにてシリア、南スーダンを始めとする中東、アフリカ、アジアにて紛争・テロ・暴力の予防事業、女性や若者の紛争解決の担い手としての育成、国外退避・保護支援などをおこなう。Newsweek日本版「世界が尊敬する日本人25人」、「日経ウーマン・オブ・ザ・イヤー」、The New York Times「世界に足跡を残す女性10人」などに選出。著書に『職業は武装解除』。