シリア難民支援:長期化する避難生活の下、一人ひとり異なる課題に応える

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活動レポート

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シリア難民支援:長期化する避難生活の下、一人ひとり異なる課題に応える

REALsは2015年からトルコでシリア難民支援を開始し、2016年からは南部メルスィン県に事務所を置いて活動を続けています。シリアから逃れてきたばかりの時は、誰もがまず食糧や生活必需品など緊急支援物資を求めていましたが、避難生活の長期化によって一人ひとりの暮らしや経済状況に違いが生まれ、今必要な支援はそれぞれに異なってきています。

そこでREALsは、対面や電話で話を聞く相談窓口を設けるとともに、難民の家庭を訪問して直接話を聞き、一人ひとりの困難や課題に対応するための支援を行っています。2018年6月から今年8月末までに、11,443人の相談に対応してきました。

相談窓口には、行政の支援を受けるための手続きに関する質問や、トルコ語が分からず病院に行けないといった毎日の暮らしでの問題、さらに生きていくことが辛いなど心の悩みに関する相談も寄せられています。REALsは弁護士による法律相談や、心理療法士による個別カウンセリングなどを提供しています。

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難民からの相談に電話で対応するREALsスタッフ。新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、現在電話での相談が中心となっている

これらに加えて、特に相談の多い、トルコの行政・法制度の説明会や、難民の抱える大きな問題の一つである、家庭内暴力や児童婚などジェンダーに基づく暴力(GBV)について理解を深めてもらうための啓発イベントを定期的に開催しています。

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相談対応にあたるスタッフ、ボランティアに、オンラインでリフレッシュ研修を行っています


【空爆下の暮らしで傷ついた心を支える】

「この子を見ているのが辛く、どうしていいか分かりませんでした」
ヌールちゃん(女児、6歳)のお母さんは振り返ります。ヌールちゃんは、激しい空爆が続くシリアから、トルコに逃れてきました。

トルコに来てからも、ヌールちゃんは大きな物音や飛行機の音、大声などを耳にすると泣き出したり、恐怖で身体が震えたりしていました。そこでREALsの心理社会カウンセラーはお母さんに、ヌールちゃんが落ち着けるよういろいろなアドバイスをしました。暴力的なシーンや大きな音が出るテレビ番組は見せないこと、夜も暗闇にならないよう小さな明かりをつけること、できるだけ身体を動かすようにすること、興味のあることや好きなことをして過ごさせること、相談や聞かれたことには必ず応じながら、できるだけヌールちゃん自身で答えを見つけられるように話をすることなどです。

その後、お母さんは、「ヌールが怖がったり震えたりすることが目に見えて少なくなりました。相談して本当によかった」と話してくれました。

※この活動は、皆様のご寄付を活用するとともにジャパン・プラットフォームの助成を受けて実施しています。

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