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「紛争、喪失、繰り返す避難…絶えず不安を感じていました」心のケアを受けたシリア難民の女性の声
REALsは2015年より、トルコに避難したシリア難民の人たちへの支援を続けてきました。
シリアでの政権崩壊によりトルコからシリアに帰還する人も出始めていますが、10年以上トルコで暮らし生活基盤ができていたり、子どもがトルコで生まれていたり、それぞれの家庭の事情は異なるなか、シリア難民の人々は先行きが不透明な状況に置かれています。
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REALsは長期にわたる紛争や厳しい難民生活によりトラウマ(心的外傷)を受けたシリア難民に対し、心理カウンセリングを通じた心のケアや、児童婚や家庭内暴力などジェンダーに根差した暴力予防のための啓発に力を入れています。
たとえばシリア難民の女性、ナビダさん(仮名)は、紛争や避難、2023年でのトルコ・シリア大地震を経験し、心のケアの支援を必要とするようになりました。
私は2015年にシリア内戦で夫を亡くし、4人の子どもたちとともに故郷を逃れてトルコへ避難してきました。
紛争、喪失、繰り返す避難、さらには2023年のトルコ・シリア大地震で被災し、多くの困難を経験しました。
その影響により不安や不眠症が続き心身に不調をきたすようになったのです。心配した親戚に紹介され、REALsの心理カウンセリングを受けました。
私は、REALsの心のケアを通じて気持ちの安定と意欲を取り戻し、再び家族を支えようと思えるようになりました。また、REALsのジェンダーに根差した暴力に関する啓発セッションにも参加し、児童労働の深刻さや家庭内のストレスへの対応法も学びました。
REALsの心のケアの支援がなければ、私はもっと深刻な状態に陥っていたかもしれません。
啓発セッションのおかげで家族を守るために必要な知識を得ることもできました。REALsと支援をいただいた皆様にとても感謝しています。
心の健康を取り戻したナビダさんは、困難に立ち向かう自信と知識を得て、家族のために新たな一歩を踏み出しています。
昨年12月にシリアのアサド政権が崩壊しましたが、シリア国内はまだ不安定な状態が続き、多くのシリア難民はトルコに留まり様子を見ています。REALsはこれからも、シリア難民となった人たちが困難を乗り越え、安心して暮らせる環境づくりを支援していきます。
※この活動はジャパン・プラットフォームの助成と、皆様からのご寄付により実施しています。