揺れるシリアで進める「争いが起きてから」ではなく「起きる前」 に防ぐ取り組み

認定NPO法人REALs(リアルズ:旧日本紛争予防センター)は争いを予防し、人と人が共存できる社会をつくる国際NGO。ご寄付は寄付金控除の対象になります。

活動レポート

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揺れるシリアで進める「争いが起きてから」ではなく「起きる前」 に防ぐ取り組み

 

2024年末の政権崩壊から1年余り。 
シリアはいま、国家再建に向かう希望と、不安定さが同時に存在する移行期にあります。 

2026年1月、暫定政権とクルド勢力(SDF)の統合を定めた政令が発表され、前進の兆しが見えました。一方で、治安の悪化や軍事的緊張、IS(武装勢力イスラム国)戦闘員の脱走といった出来事も起きています。 政治や武力が大きく動くこの局面で、地域の人々が直面しているのはとても切実な問いです。 

「この不安定さの中で、どうすれば地域の分断を防げるのか」 

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昨年、私は初めてシリアを訪れました。破壊の爪痕が色濃く残る一方で、「もう一度、自分たちの手で国を立て直したい」と多くの人たちが語りました。その姿に、私自身も勇気づけられ、支えながらその道のりを共に歩みたいという気持ちを新たにしました。 

リアルズ(REALs)が取り組んでいるのは、争いが起きてから対処するのではなく、起きる前に食い止める力を地域に残すことです。 

昨年12月から今年の1月にかけて、リアルズはシリアで初めて、争い予防のための「早期警戒・早期対応」の知見を地域に広めることができる指導員育成のための「トレーナー育成研修」を実施しました。目的は、私たちの外部支援が終わっても地域のなかで活動が続くこと。

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今回リアルズの取り組みで選ばれ育成された10名のトレーナーは、医療や保護分野のNGO職員、そして地域で信頼を集めてきた若者たちです。日々、帰還民と元々住んでいた人々との間に生じる緊張、宗教や土地をめぐる対立と向き合ってきました。  

研修では、まずリアルズから複雑に見える紛争や暴力を分析し、解決していくための専門的な視点や手法を伝えました。その後、受講者自らが課題を分析できる手法を使って、地域ごとの争いの事例に基づいて、 
ーいま地域で何が起きているのか 
ー問題や対立がこじれていく背景に、どんな要因が重なっているのか 
ーどこに対話や解決、予防の余地が残されているのか 
などを一つひとつ整理し、複雑に絡み合った状況をグループワークを通じて自分たちでときほぐしていくプロセスを重ねました。 
 
参加者からは、 
「同じ出来事でも、見方が変わった」 
「複雑な状況を整理できるようになった」 
「選べる対応が一つではないと気づいた」 
といった声があがりました。
 
地域で平和をつくる主役を、諸外国でも外から来た誰かでもなく、その土地で生きている人自身にする。時間はかかりますが、政情が揺れる今だからこそ、こうした地道な積み重ねが将来の分断を防ぐ。私たちはその信念のもと、活動をしています。 
 
シリアの人々が自らの力で地域を支えていけるように。 

皆さまからのご支援が、この取り組みを支えています。ぜひ、引き続きのお力添えをお願いいたします。 

 

(シリア事業担当:工藤絢花) 

 

※この事業は2025年4~6月のシリア平和構築クラウドファンディングでお寄せいただいたご支援とジャパン・プラットフォーム(JPF)の助成により実施されています。

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