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シリア | 「平和の担い手」育成プロジェクト始動
4~6月のシリア平和構築クラウドファンディングでお寄せいただいたご支援により、シリアでの「平和の担い手」育成プロジェクトが動き始めました。現地の市民団体との協議や人材育成、そして住民同士が協力できる基盤づくりについてご報告します。
シリア北西部では、長年の空爆や破壊で家屋やインフラが損壊し、多くの人々が故郷に戻っても生活再建ができない状況が続いています。
現地で分断が確認されています。
・内戦終結で故郷に戻ってきた帰還民と故郷にとどまり続けた住民との間での復興と国造りに対する価値観・方針・経験の違いによる摩擦
・破壊により不足する住居、水供給やトイレなどのインフラ設備をめぐる対立
・長老層と若者層の価値観の衝突
・地域リーダーシップにおけるジェンダー格差
・宗派や民族間の分断
このような分断があり、かつ大義名分を掲げた外国の介入による内戦に振り回されてきたシリアの人々は、「平和」という名のもとに行われる取り組みにも不信感を抱いています。同時にこのような状況は長い紛争を経験した社会では珍しくありません。
このような状況では、リアルズは「平和」という言葉はあえて使わず、人々にとって共通かつ喫緊の課題を特定し、その解決を対立・分断の越えた住民たちが共に担うことで信頼の基盤をつくるようにしています。今年6月から7月にかけて、北西部で内戦により破壊されていた水供給設備の修復を行いました。
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この地域では健康被害と住民間の摩擦も見られていましたが、この活動により3,800人へ安定的な給水が可能となったことにより、衛生状態と生活の質が改善し、水をめぐる緊張が和らぐようになりました。何より、水供給の取り組みを通じ住民が対立する立場を超えて協力したことで、信頼の基盤を築く土台が生まれています。「ここ数年で最も意義のある支援だ」とある住民男性は語りました。
これにより住民間の信頼関係の土台が整ってきたことから、10月にこの地域で平和の担い手として市民団体や若者、女性リーダーを対象とした育成を始動します。
皆さまのご支援によって、生活課題の解決から信頼構築、そして平和づくりへの道筋が実際に形になり始めています。この取り組みを共に進めていただいていることに、心より感謝申し上げます。
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※この事業は4~6月のシリア平和構築クラウドファンディングでお寄せいただいたご支援とジャパン・プラットフォーム(JPF)の助成により実施されています。