11月25日は女性に対する暴力撤廃の国際デー:ジェンダーに根差した暴力とは?

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活動レポート

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11月25日は女性に対する暴力撤廃の国際デー:ジェンダーに根差した暴力とは?

 11月25日は女性に対する暴力撤廃の国際デーです。
 
 女性に対する暴力は、参政権の制限や就業における差別など社会のなかで行われるものから、レイプをはじめとする性暴力や家庭内暴力など人の目に触れづらい私的な空間で行われるものまで多岐に渡ります。

 

 規模も甚大で、2018年11月のWHO(世界保健機関)※1 の発表によれば、身体的もしくは性的な暴力を経験したことがある女性は世界全体で3人に1人に上ります。少女に対する性暴力も深刻であり、いま生きている女性の8人に1人、約3億7千万人以上が18歳になる前にレイプや性暴力を受けたとUNICEF(国連児童基金)※2 が今年10月、推定を発表しました。

 

※1   2018年11月 WHO 

※2    2024年10月 UNICEF

紛争のなかで深刻化する女性や少女に対する暴力

性暴力、パートナーによる暴力など世界中で起きていますが、特に人々が築いてきたインフラや社会制度が破壊され、最低限の衣食住も不足するような避難生活を強いられる紛争下では女性や少女に対する暴力が深刻化しています。

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REALsがシリアでの啓発活動に作成した動画の一部
女の子が学校を辞めさせられ、結婚を迫られるシーン
紛争の影響下では児童婚の発生率が4%高くなることがわかっている ※3

 

※3 2024年7月 UNWOMEN

たとえば紛争が続く南スーダンでは、紛争下で生きる女性や少女の最大65%が身体的・性的な暴力を受けたと発表されています。 ※4 女性に対する抑圧が続くアフガニスタンでは、64%の女性が自分ひとりで外出することを“まったく安全ではない”と感じています。 ※3

また、紛争下でジェンダーに関連した暴力にさらされるのは女性だけではなく、520人のシリア難民の男性や少年を対象に行われた調査では、10.8%が性的暴行を受けたことがあると回答しています。※5

  

紛争のなかで深刻化するジェンダーに根差した暴力から人々を守るための取り組みが必要とされています。

 

※4 2017年 International Rescue Committee

※5 2017年10月 UNHCR

ジェンダーに根差した暴力から自分や周りの人たちを守れるように

REALsのシリア・避難民キャンプでの啓発活動

 REALsはシリアの国内避難民キャンプで、ジェンダーに根差した暴力の予防のための啓発活動に取り組んでいます。

 結果として女性や少女を深く傷付け将来を損なう行いであっても、暴力ではなく慣習として理解されている場合も多くあり、啓発活動ではどういった行動が暴力となる可能性があり、どんな危険があるのかということを伝えています。

  

たとえば過酷な避難生活のなか、児童婚により経済的に安定させることが娘のためと考える人もいます。そうした考え方に対して、REALsのセッションでは教育の機会の消失や早すぎる妊娠・出産による心身へのリスク、虐待に遭う懸念など負の側面を伝えており、実際に娘の児童婚を取りやめた人もいます。

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参加者に問いかけて意見を聞きながらセッションを進めることで、
ジェンダーに根差した暴力への理解が深まっていく

REALsの啓発セッションでは避難民の人たちが日々避難生活のなかで直面する問いを投げかけ、参加者の答えを聞きながらジェンダーに根差した暴力を一緒に考えています。そうしたなかで、たとえばある女性は自らが家庭内で受けてきた扱いが暴力であったことに気付き、周りの少女たちに児童婚の危険性を伝える役割を担うようになっています。

 

 セッションには男性も「自分自身や家族を守るのに大切な知識だ」と積極的に参加しており、ジェンダーに根差した暴力の危険性とその対処法が、セッションに参加した人から周りの人々に広がっています。

女性を被害者ではなく、平和の担い手に

誰もが平和構築に力を発揮できる社会を目指して

 紛争や暴力において、“被害者”としてイメージされがちな女性。

実際に冒頭で紹介した通り、世界中で、また特に紛争下で、深刻な暴力が女性や少女に対して今現在も振るわれています。

   

女性や少女をはじめ多様なジェンダーを生きる人々が、ジェンダーに根差した暴力に脅かされることなく安心して自らの力を発揮できる環境は、当事者だけでなく社会全体にとって大きな意味を持ちます。

  

紛争の文脈でいえば、たとえば女性が参加した和平合意は15年後の持続率が35%上がることが分かっています。理由は「母性」や「優しさ」ではなく、既存の和平合意の大半を占めてきた男性とは異なる立場で、異なる経験をしてきた人たちの視点が入ることで、和平合意がより幅広い現実に対応するものになるから。同様に市民社会や若者団体が参加した場合も、和平プロセスに良い影響があることが分かっています。

  

 REALsはより多様な人々がともに平和に向けた取り組みに参加できることで、より持続的な平和を実現していけるように、紛争地の人々とともに活動を行っています。

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