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紛争や避難で心に傷を抱えた人が適切なケアを受けられるように(シリア)
2011年のシリア危機勃発から13年。
紛争や相次ぐ避難が、危機の渦中にいる人たちに深い心の傷を負わせています。
REALsはシリア北西部で、国内避難民キャンプで暮らす人たちとともに心のケアのしくみづくりを行ってきました。
2022年10月から2024年2月までの活動と成果をご報告します。
活動と成果の一覧
- 避難民キャンプで暮らす人をコミュニティワーカーに育成:46人
- シリア現地の支援団体への講師育成研修を実施:10人
- 心のケアを必要とする人へのカウンセリングや外部照会などの提供:550人
- 写真や絵を使った心のケアのワークショップ:339人
- ジェンダーに根差した暴力の予防啓発セッション:1,099人
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1.避難民キャンプで暮らす人をコミュニティワーカーに育成
紛争や避難を経験するなか、多くの国内避難民が極度のストレスや抑うつ、絶望感、睡眠障害などを抱える一方、避難民キャンプで受けられる心のケアのサービスは非常に限られています。
シリア北西部のREALsが活動する地区には数十か所の避難民キャンプがありますが、何らかの心のケアのサービスが行われていたのは6割程度でした。
支援の絶対数が限られていることに加え自力で受けられる支援を探し出す難しさ、心の傷は表には見えづらいことなど複数の要因が重なり、心のケアを必要とする人が支援を得られずに取り残されてしまう問題がありました。
そうした状況を変えていくために、REALsは避難民キャンプの人たちのなかから、46人をコミュニティワーカーに育成しました。コミュニティワーカーは避難民の人たちを訪問してヒアリングを行い、心のケアなどの支援につなげる役割を担います。
コミュニティワーカーの研修中
期間中、コミュニティワーカーたちは5,479人の避難民を訪問して話を聞き、必要に応じてカウンセリングなどの支援につなげていきました。
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2.シリア現地の支援団体への講師育成研修を実施
コミュニティワーカーの育成と並行して、シリア現地の支援団体がコミュニティワーカーを育成する講師となれるよう、現地団体のスタッフ10人に研修を実施しました。
研修を受けた団体はシリア北西部で主に女性支援に取り組む団体であり、REALsは2021年から提携して心のケアやジェンダーに関するノウハウを伝えながら事業を行ってきています。
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3.心のケアを必要とする人へのカウンセリングや外部照会などの提供
上記の取り組みにより、心のケアを必要としていた449人にカウンセリングを提供しました。
REALsが提供するカウンセリングやワークショップ以外の支援や専門的な医療を必要とする人も適切な支援を受けられるように、REALsはシリア北西部で活動する他の団体や組織と連携しあうネットワークを築いています。このネットワークにより101人が外部の支援につながることができました。
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4.写真や絵を使った心のケアのワークショップ
REALsはシリア北西部で、トラウマや不安を抱えた国内避難民の人たちが、写真や絵を使いながら自分のトラウマになった出来事を物語として語るワークショップを実施しています。
自らの経験を思い起こさせる写真を選ぶ
大きなトラウマを抱えた人は、トラウマの原因となった出来事の前後の記憶が曖昧になったり、その時の感情を説明できなくなったりします。
ワークショップでは、写真や絵から組み上げたストーリーを感情とともに話す体験をすることで、徐々に自分の経験と感情を言葉で紐づけて話せるようになり、トラウマと共に歩んでいけるようになることを目指します。
2022年10月から2024年2月の間、339人がワークショップに参加しました。
同じようにトラウマを抱えた人に語ることを通じてトラウマを自らの経験の一部として位置付けていく
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5.ジェンダーに根差した暴力の予防啓発セッション
紛争により鍵のかかる住居や街灯などの安全を守るインフラを破壊され、暴力の恐怖や先の見えない避難生活への不安など過大なストレスが人々にかかるなかで、ジェンダーに根差した暴力が深刻化します。
ジェンダーに根差した暴力とは男女間の力の不均衡を背景として起こる性暴力や家庭内暴力、児童婚などのことです。
REALsはシリア北西部の国内避難民キャンプで、ジェンダーに根差した暴力予防に取り組んでいます。
期間中に実施した啓発セッションには、計1,099人の国内避難民の人たちが参加しました。
次期事業からは避難民キャンプだけでなく、同様に多くの避難民が暮らす市街地にも活動を展開します。
爆撃などの恐怖が身近にある日常のなかでも、状況を変えるために行動する人たちとともに、活動に取り組んでいきます。
この活動はジャパン・プラットフォーム(JPF)の助成と皆さまからのご寄付により実施しました。