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南スーダン 緊急支援物資配布
南スーダン緊急支援
- REALsでは、2014年3月20日より、南スーダン共和国にて国内避難民に対する緊急支援を開始しました。中央エクアトリア州のジュバ郡およびテレケカ郡にて過酷な生活環境の改善に有益な物資を1,000世帯に配布する予定です。この緊急支援は、特定非営利活動法人 ジャパン・プラットフォーム(JPF)からの助成によっておこなわれるもので、本年5月17日までの59日間にわたって実施される予定です。
- 南スーダン共和国では、2013年12月の首都ジュバにおける大統領警護隊内での衝突を発端に、サルバ・キール大統領とマシャール前副大統領との対立が表面化し、その後、それぞれの出身部族のディンカ族とヌエル族との部族間紛争へと発展して地方に戦闘が拡大しています。この戦闘によって、710,600人の国内避難民が発生し※、またジュバ郡(首都ジュバを除く郊外)およびテレケカ郡においては、約50,000人の国内避難民が発生しています※。国内避難民のなかには、着のみ着のままで逃れてきた女性や子どもたちも含まれており、水や衛生問題をはじめとして劣悪な生活環境のなかにおかれ、きわめて過酷な生活を強いられています。
※国連人道問題調整事務所(OCHA):2014年2月。
- このため、REALsでは、戦闘を逃れて首都郊外のジュバ郡およびテレケカ郡に避難している国内避難民1,000世帯(約5,000人)に対して、現地団体や現地政府機関などとも連携しながら、衛生用品や蚊帳など、過酷な生活環境の改善に有益な物資(NFI:Non-Food Item)を配布する緊急支援をおこなうことにいたしました。
- REALsでは、南スーダン共和国が独立する前の2010年より、現地にて若者への職業訓練・就業支援、孤児たちに対する衛生啓発など、若者の自立と新たな国の発展に必要な支援活動をおこなってきました。未だ平和が定着していない南スーダンにとって、若者の経済的・社会的自立による地域コミュニティの安定のみならず、紛争を管理するための能力を強化することはとても重要です。REALsは紛争予防および再発防止を使命としている団体として、南スーダンへの支援を継続します。
5月上旬に中央エクアトリア州ジュバ郡の2地区の964世帯(約5,000人)の国内避難民を対象に生活改善のための物資を配布しました。現地政府や南スーダン赤十字などから得た情報を基に物資の選定を行い、下記の物資を提供いたしました。
ジュバ市内の物住民とともに泥にはまったトラックを動かす資保管場所から配布地域までは車で通常4時間ほどかかります。ちょうど5月初旬から雨季が開始しており雨量が増えていたため、物資運搬中は道路がぬかるみ、搬送するトラックが動けなくなるという困難にも見舞われました。現地のコミュニティーの人達と一緒にトラックを押して動かすなど協力を得ながら何とか無事に配布を終えることができました。
2週間後の5月下旬に実施した配布後の実態調査では対象世帯(19世帯)すべてが物資配布に満足していると答えました。「シートのおかげで雨露をしのげる」「調理・飲食が容易になった」「飲料水・生活用水を得られやすくなった」などの声があがっていたそうです。例えば、下の写真にある青いものがシートなのですが、そのシートがないと雨をしのぐ屋根がなかったことがわかります。他にもポリタンクは現地ではジェリー缶と呼ばれるもので、液体を入れる容器として様々に活用されていますが、この写真ではそれは黄色い容器で屋根の中心に吊るしてあります。大事なものとして家の中心に置いていることがわかります。
他にも「農作業用の種が欲しい」「毛布が欲しい」など彼らが必要としているものは様々ありますが、今回の物資配布を通して取るものも取りあえず避難した人々が最低限、避難中の生活を立て直すことへの支援ができました。
南スーダンでは残念ながら紛争が起こってしまいましたが、これに翻弄された人々の基礎的生計を支援することが平和構築への第一歩であるとの考えからこのたびの支援を行いました。彼らが生計を立て直し、1日も早く内戦が終結して帰還できることを願ってやみません。
助成元:特定非営利活動法人ジャパン・プラットフォーム(JPF)