ジュバ市および近郊における子どもたちへの暴力予防及び暴力被害者支援事業

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活動レポート

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ジュバ市および近郊における子どもたちへの暴力予防及び暴力被害者支援事業

初めに

REALsは、201541日より、『南スーダン共和国中央エクアトリア州ジュバ市および近郊における子どもたちへの暴力予防及び暴力被害者支援事業』を開始いたしました。

事業地は前期事業と同様、首都のあるジュバ市及び近郊です。

南スーダン共和国では、201312月に発生した国内紛争が未だ長引いており、20154月時点、全国で約150万人が国内避難民として地元を逃れており、慣れない土地での不便な生活を強いられております。

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ブランコで遊ぶ南スーダンの子供たち

前事業では主な対象者を女性としたGBV予防がテーマでしたが、今回は子どもに焦点をあてています。
住民達と接していく中で、子どもを取り囲む環境の改善が重要と判断したからです。

まだまだ生活環境が厳しく、長期に渡る避難生活を強いられている住民が数多くいます。
食事の量が不十分であったり、汚れた服を着るしかない子ども達も多く、栄養不足や不衛生による影響で病気にかかりやすくなるだけでなく、わずかなお金や食べ物の為に児童労働や性的搾取を強いられ、学校に通えなくなくなるなど、子どもへの様々な暴力が発生しています。

不安定な環境下では、些細なことで周りとの揉め事も起きやすく、上手に物事を解決する方法を学ぶことも大切です。
生活を支える物資の配布をしながら、未来を担う子どもたちが安心して過ごせる環境づくりをしつつ、周りの大人たちに対して暴力予防の知識を高めるための啓発を行う予定です。

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Realsが設置したCFSの回転式遊具で譲りあいながら遊ぶ子供たち

南スーダンでは、部族対立の激化により201312月に内戦が再発し、約75万人の子どもが国内避難民となりました。首都ジュバにも9万人以上の子どもが国内避難民として流入しているといわれています。子どもたちは国内避難民キャンプなどに設置された粗末な小屋で生活していますが、犯罪や暴力の被害者になることも少なくありません。もともとその土地に住む人たちや他の地域から避難してきた避難民との間で、文化や使用言語の違いから生じる摩擦や、土地問題、紛争によって受けた心の傷など、大小さまざまな紛争の原因になる問題があらゆるところで山積しています。内戦の精神的ストレスでアルコール・薬物中毒になった大人からの理不尽な暴力や、家庭内暴力が蔓延し、子ども同士でも日々のトラブルに暴力をふるうことが常態化しています。

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熱心に講師の話を聞くジュバ市郊外のグンボ地区にある国内避難民キャンプの指導者たち

本事業はグンボ地区の国内避難民キャンプ、マハド地区の難民キャンプ、ロゴ・イースト村の3か所で実施しています。これらの地域で、暴力被害者を含む脆弱な子どもたちやその家族に対して物資配布を行うことで、彼らの生活環境の改善を図ると共に、グンボ地区にある子どもたちのための空間、チャイルド・フレンドリー・スペース(CFS)にある遊具や建物を補強・補充します。また、これら三つの対象地で、地域特有の問題や紛争原因を事前調査で明らかにし、それに対応するために必要な紛争解決技術を学ぶ研修・啓発を行って、指導者や住民が暴力を用いずに紛争を解決できるよう支援しています。

コミュニティ啓発イベントの紹介

REALsが南スーダンで取り組んできた活動の一つにチャイルド・フレンドリー・スペース(CFS)の整備があります。CFSは、治安の関係上、自由に外を走り回れない避難民の子どもたちが、部族の違いを超えて安全に他の子どもたちと交流できる空間を提供するために建設されました。周囲には防護柵が設置され、動物や不審者の侵入を防ぐことができます。

今回はこのCFSがどのように活用されているのかについて、紹介します。

CFS
では、毎日およそ1,500人の子どもたちが、備え付けの遊具や中央にある屋根付きの広場を使って、部族の違いを超えて自由に遊びます。隣接する小学校の児童1,000人の他、近くの国内避難民キャンプに住む就学前の子どもたち約500人もよく訪れて、年の差を超えて交流を深めます。また、隣接する教会の主催による本の読み聞かせや大人のための識字教室にも利用されるなど、地元の方にもご活用いただいています。こうして自然な形で対話や交流の機会を増やし、暴力を伴う争いが起きにくい環境をつくるのです。

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写真はCFSで遊んでいる子どもたちです。

2015
12月の学校の長期休暇期に、隣接する教会の主催で「ホリデーキャンプ」が行われました。参加者数は一日600人限定で行われ、10日間にわたって開催されました。いつもCFSで過ごしている小学校の児童や、国内避難民キャンプの子どもたちが参加し、10日間でのべ6,000人もの子どもたちが参加して特別な時間を過ごしました。
プログラムは朝9時から午後3時まであり、伝統的な歌や踊り、クイズなど飽きない工夫がされています。参加した子どもたちはそれぞれ異なる部族の出身ですが「友達と思いっきり遊ぶことができて嬉しかった」と発言し、子どもたちが部族の違いを超えて友情や信頼を深めている様子がわかりました。20年におよぶ内戦を経験してきたREALs現地職員や大人たちにとって、たいへん感慨深い出来事となったようです。

この支援は、特定非営利活動法人ジャパン・プラットフォーム(JPF)の助成と皆様からのご寄付によって行われています。

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