35名の「平和の担い手」が誕生ーコミュニティが育む平和の芽|南スーダン
南スーダン・マンガテン地区で実施している平和構築事業から、嬉しいニュースが届きました。3日間のトレーナー養成ワークショップを通じて、35名の地域リーダーたちが「平和の担い手」として新たな一歩を踏み出しました。 
 
南スーダンでは現在、約530万人もの人々が安全の確保や人権の保護のための支援を必要としています。マンガテン地区では、2023年4月のスーダン危機以降、帰還民の流入により限られた資源をめぐる緊張がさらに高まるとともに、人々はジェンダーに基づく暴力やギャングによる暴力の深刻化という脅威に日々さらされながら生活せざるを得ない状況です。さらに来年の国政選挙を控え、暴力発生のリスクが一層高まっています。

| 
 
 地域住民自身が安全を守り、平和を築く力を私たちは、コミュニティ住民自身が争いや暴力の予兆を察知し、早期に対応できる体制を2年間かけて整備してきました。そして事業の最終年となる今年は、地域住民が持続的にコミュニティの安全守り、平和を築いていけるよう、人材育成に力を注いでいます。 トレーナー養成研修には、平和の担い手となるコミュニティ・フォーカル・パーソン30名、コミュニティリーダー2名、キャンプ管理委員会メンバー3名の計35名が参加しました。  1日目:紛争と早期警戒・早期対応の基礎 紛争についての基礎学習と、発生時の報告システムの設計。「ギャング暴力は、経済活動のない若者たちの問題から生まれている」など、地域特有の課題を深く議論。 
 2日目:ファシリテーションスキルの習得 読み書きができない人も含め、コミュニティの実情に合わせた誰もが理解できる研修方法を実践。35名が5つのグループに分かれ、実際にファシリテーターとして模擬セッションを実施 
 3日目:実践とデモンストレーション 紛争いが拡大・拡散・激化する過程プロセスやし、調停や対話などの対応戦略をロールプレイで実演。「ロールプレイは、読み書きができない人にとって最も効果的な学習方法」との声も。  | 
| 
 
 
 参加者の声が物語る変化「REALsの研修によって、避難民とホストコミュニティの関係が改善されました。以前はこのような協力関係はありませんでした」「読み書きができない私でも、紛争事例を扱い、他の人を訓練できる知識と経験を得ることができました」 「研修を通じて、メッセージを伝える際の自分の強みと弱点を理解でき、自信がつきました」 
 キャンプ管理委員会の副委員長は、「早期警戒・早期対応の研修により、紛争発生時にどこに報告すればよいか分からない人々のための報告システムが大きく改善される」と評価してくださいました。 
 
 研修を通じて確認された変化研修を通じて、参加者たちに次のような変化が見られました:  
  | 

これから目指すこと
この35名の「平和の担い手」たちはその後、若手リーダーや他のコミュニティリーダーへの知識共有セッションを共同で実施し、定期巡回を通じて延べ1000人以上に暴力・争い予防を実践していきました。次回以降のレポートで、知識共有セッションの結果もご報告させていただきます。
私たちが目指すのは、事業終了後も地域住民自身が継続的に平和を守れる仕組みです。研修参加者からは「もっと練習したいので追加の日程がほしい」「この成功したプロジェクトを他の地域にも広げてほしい」という強い要望が寄せられました。
選挙を控え、緊張が高まる中、コミュニティ住民自身が安全を保ち、平和を築く力を身につけることは、今まさに必要とされています。一人ひとりの変化が、コミュニティ全体の平和につながっていく。その希望の芽が、確実に育ち始めています。引き続き皆様の温かい応援をよろしくお願いいたします。
※この事業は皆様のご支援とジャパン・プラットフォーム(JPF)の助成で実施されています






