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ソマリア:治安改善プロジェクト
JCCPは2009年5月からソマリアでコミュニティ・セーフティ・プロジェクト(CSP)を開始しました。CSPとは、支援対象国の社会が持つ独自の文化や伝統的な問題解決方法を尊重し、現地コミュニティ住民の知見を生かした形で治安改善の仕組みを築くという世界でも新たな試みです。UNDPがソマリアで開始し、JCCPはその枠組み立案と実施に関わりました。
現在のソマリアにおいては、地域ごとにどれだけ危険度が違うのか、何が原因なのか客観的な把握はほぼできていません。解決策を考えるには原因を把握することが不可欠ですが、政府の支配が及ばない地域や外国人が立ち入ることが危険な地域も多く、情報収集は困難でした。
そこでJCCPは、各地の治安情勢を収集する手法のほか、集まったデータを分析・管理するシステムも開発しています。さらに開発したシステムをもとに、ソマリアの現地NGOへの訓練を実施しています。
助成:国連開発計画(UNDP)
ソマリアの紛争
1977年、ソマリアはソマリ族の居住地域を解放することを目的に、隣国エチオピアに侵攻(オガデン戦争)。その争いにソマリアが敗北したことで、もともと自らの出身氏 族を優遇する政策を採用していたバーレ政権に不満を募らせていたソマリア国内では、戦争による大規模な被害に抗議する解放運動が展開され、1991年にバーレ大統領は国外退去となりました。
以来、南部を中心に複数の武装勢力が争いを繰り返す無秩序状態が続いており、入れ替わりに展開された国連PKO やアフリカ連合(AU)による平和維持活動、暫定政府も限られた地域を管理するのみとなっています。近年は近海での海賊発生のほか、首都モガディシュをはじめとする南部において、アル・シャバブなどのイスラム系武装勢力による戦闘拡大が問題となっています。