カンボジア事業

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活動レポート

カンボジア事業

武器回収と農村開発プロジェクト

1998年にクメール・ルージュが降服したことで、カンボジアの長い内戦の歴史に終止符が打たれることになりました。しかし、それだけでは新たな紛争や暴力が発生しないという保証にはなりません。紛争があった場所には多くの危険な武器や兵器が残されており、それらがカンボジア村や町で流通している状態にあったのです。

カンボジア全土において、EU(欧州連合)やJSACJapan Assistance Team for Small Arms Management in Cambodia:日本小型武器対策支援チーム)による小型武器回収支援が始まるなか、REALsは「小型武器回収と農村開発プロジェクト」”Weapons for Development(WfD)”を2002年から2005年にかけて実施しました。(上写真:武器回収を促すポスター)このプロジェクトは、農村において小型武器を回収し、回収した村に対して住民が希望する教育や公衆衛生設備等の開発事業を行うというものです。 武器回収キャンペーンを始める前に、REALsは地域の知事、警察、共同体や村の長など様々な関係者と話し合いを行い、まず第一に、紛争再発の予防、カンボジア社会と人々の生活の安定化、治安の改善の重要性が人々の間で共有されるよう試みました。そのうえで、紛争後にいまだ各地に残された武器の違法所有・違法使用を防ぐための小型武器回収事業の必要性を理解してもらったのですこうした話し合いを通じて、現地の人々から理解と支援を得たのちに、REALsはカンボジアの20州のうち14州計41地区でプロジェクトを実行しました。

プロジェクト期間中、REALsは包括的な啓発キャンペーンも実行し、コミュニティに向けて、余分・違法な小型武器をコミュニティから取り除くことによる利点と、その後もコミュニティにおいて取り組まれるべき課題についての情報提供を行いました。1040のコミュニティにおいて1255回にわたって行われたこの対話セッションには、7000人を超える人々が参加しました。結果的に、2565丁の武器と3190組の弾薬が自主的に提出されました。(右写真:回収された武器)

現地コミュニティのこうした協力に対して、REALsは6つの貯水池、39の丸井戸、101のポンプ式井戸、トイレ施設3か所、窯3つ、水門5つ、学校2校を建設しました。プロジェクトは2005年の12月に成功裏に終了し、この小型武器回収・農村開発事業よりコミュニティに残存する小型武器問題は劇的に減る結果につながりました。

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小規模インフラ整備プロジェクト

カンボジアの農村部は、道路や橋の老朽化や欠如により雨季のあいだ道路はいつも洪水によって塞がれるため、市場や学校へ行くことができない地域が多く、住民の収入拡大の障壁となっています。REALsはこのような地域に小さなインフラを細やかに整備する事により、村人の移動が可能にし、農村の経済活動の向上につなげる支援を行いました。

2007年以降、REALsはコンポントム州において小規模インフラ整備事業に取り組み、橋の建設を行いました。建設された橋には排水設備も付けられて、氾濫地帯から集水池へ水が流れるようになっています。この事業により約1200人の子どもと農家が直接的な恩恵を受けています。

助成:日本国際協力財団(JICF)

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小学校建設プロジェクト

カンボジアでは長年の紛争により多くの学校が破壊されたほか、支援の手が届かない地方の農村地域では学校数が圧倒的に不足しています。将来のカンボジアの平和と復興を担っていく子どもたちが、自分の活躍するための可能性を広げるためにも、教育は欠かせないものです。 カンボジア政府は17歳以下の子どもたちの就学率向上のために様々な取り組みを実施しています。しかし、学校設備の不足や老朽化、教員の慢性的な不足、家事や農業を手伝わなければならない子どもたちの高い退学率などが重なり、十分な成果が挙げられていない地域があります。

コンポントム州で調査を実施した結果、十分な校舎がない学校や、校舎が老朽化し壁や天井が壊れている学校、有志の住民で作られたヤシの葉や竹製の小屋型の学校しかない地域が多数ありました。そのような環境では雨風をしのぐことも出来ないため、天候によって休校になったり、トイレ等の公衆衛生設備はないという状態でした。教育環境が整備されていない状況は、地元の子どもたちが学校に行き教育を受けることができない大きな原因になっていました。

そこでREALsは、20077月から、支援がいまだ届いていない農村地域において小学校建設プロジェクトを開始しました。学校は長期間にわたって学校教育が行わるような頑丈なものにするため、レンガ造りのものにしました。各学校にはトイレやポンプ式の井戸を設置して、それに合わせて衛生教育ワークショップも実施しました。20072008年に実施した学校建設事業によって、男女700人の子どもたちのために5つの小学校に計17教室を建設しました。また、学校があっても、十分な給与が支払われないため教員が不足していたり、研修が不十分であるなどの問題がある地域では、教員支援や集中研修を行いました。

地方教育委員会、子どもの親を含む住民たち、教員とパートナーシップを取り、REALsがプロジェクトを完了したあとはコミュニティの人々が自ら設備の維持、支援の効果を持続できるように、プロジェクト立案が行いました。

助成::外務省(日本NGO連携無償資金協力)

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少数民族のための識字教育プロジェクト

カンボジア北東部のラタナキリ州には複数の少数民族が住んでいますが、その多くは、カンボジアの主要言語であるクメール語による読み書き能力がない人々で、十分な教育や経済活動が行えない状態にあります。市場で農作物や工芸品を売る場合にも、クメール語での読み書きができないがために不利な交渉を強いられることもあります。

また、少数民族の子どもたちは、小学校に就学してもカンボジアの主要言語であるクメール語によるコミュニケーションが十分にとれないため、ある一定以上の授業についていけないという問題も生じています。十分な教育や生計手段が確保できないために、児童買春や人身売買に陥ってしまうケースも少なくありません。

そのためREALsは、2001年から、少数民族の多いカンボジア北東部のラタナキリ州の10村においてクメール語の識字教育と基礎教育事業を実施しました。少数民族の言語を使って行っている算数等の基礎教育事業には、今まで教育を受ける機会のなかった大人も生徒として参加しました。子どもたちには基礎教育を通じて学校に復帰する機会をつくり、大人には商売や生活を営む上での計算や知識を身につけてもらうことにより、収入機会の向上を図ります。 さらに、識字教育の先生を少数民族の村人から育て、村人の教育への関心を高め参加を促すことにより、コミュニティのなかに自主教育の場を育てるようにしました。

また、2006年にはラタナキリ州のカマントム村とボン村で2つの壊れた学校を修復しました。

現地の教師の能力開発の一環として、識字教室を監督するために、教職経験のある13人のボランティアの先生と12人の教室モニター員を少数民族の村から選出しトレーニングを行いました。トレーニングは教師たちの教授の技術と知識を向上させるためのもので、村人の教育への関心を高め、参加を促すことにより、コミュニティのなかに自主教育の現場の場を育てる目的で行いました。

助成:国際ボランティア貯金
:日本国際協力財団(JICF)
:今井記念海外協力基金
:アドラ国際援助基金
:味の素ワンクリック基金
:三井住友海上グループホディンス株式会社 (MSIG)スマイルハートクラブ事務局

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