バルカン事業

認定NPO法人REALs(リアルズ:旧日本紛争予防センター)は争いを予防し、人と人が共存できる社会をつくる国際NGO。ご寄付は寄付金控除の対象になります。

活動レポート

バルカン事業

ペトロバツ郡の共同植林事業

マケドニア国内では植林活動が活発に行われています。REALsでは2011年1月よりマケドニアで新規事業として植林活動を開始しました。この事業では、様々な民族の子どもたちが一緒に植林を行いながら交流を深めることを目的としています。

現在は、マケドニアの首都スコピエの東方約20キロにあるペトロバツ郡において共同植林のプロジェクトを実施しています。冬の間、ワークショップで植林に関する勉強をしたり、お互いに親睦を深めたりして準備をしてきた子どもたち。春が来ていよいよ植林が始まりました。そして、2011年6月現在で既に約250名の子どもたちが作業に参加して約2000株の苗木が植えられました。参加した子どもたちは、植林という珍しい経験を楽しみ、活動を進めていく中で他民族の子ども同士の友情が育まれています。

助成:外務省(日本NGO連携無償資金協力)
MS&AD ゆにぞんスマイルクラブ

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スツルガ市の共同清掃事業

2010年2月から8カ月間、マケドニアの西部に位置するスツルガ市内の小学生、学校関係者及び父兄の延べ2,000人を対象として、街の清掃・ワークショップ事業を実施しました。

スツルガ市内のマケドニア人とアルバニア人の2校の小学生、市外のアルバニア人とイスラム系マケドニア人の2校の小学生たちが各校15名ずつ、計60人が集まって、水曜日は歌、絵画、折り紙、遊戯などを行うワークショップ、木曜日は街や村での共同清掃を行いました。

REALsが日本の文化も紹介しながら清掃活動やワークショップという対話の機会を提供することで、多民族の交流がなされ、事業終了までには歓迎の声が寄せられるようになりました。公園や町の中心部、及び各学校の周辺からゴミが一掃され、現地の住民から喜ばれる活動となりました。

スツルガ市での取組みと成果が評価され、REALsの事業終了後も、行政と教育機関が連携して活動を継続しています。事業がREALsの手から離れた後も、活動が継続発展し、スツルガ市の民族間の交流を促す新しい慣行となっていることをREALsとしても心から嬉しく思い、今後も継続されることを願っています。

助成:外務省(日本NGO連携無償資金協力)

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ブヤノバツ市の共同清掃事業

REALsは20092月から、セルビア共和国南部のブヤノバツ市において、 セルビア系、アルバニア系とロマ系住民の小学生を対象に、相互理解と和解促進を目的とした共同清掃の事業を行いました。

セルビア南部の中都市ブヤノバツ市は、人口43千人のうち、55%がアルバニア系、34%がセルビア系、そして9%がロマの人々です。 住民同士の居住区は分断されてはいないものの、それぞれの民族ごとに学校や商店、流通システムを持ち、異なる民族間の交流は非常に限定されています。 現地の公衆衛生局の協力のもと、これまでほとんど交流の無かったセルビア系、アルバニア系、ロマ系の小学校の児童による共同清掃活動やワークショップ、 絵画の共同制作などを通じ、民族が異なる小学生同士の交流を草の根で促進する取り組みを実施しました。

助成:外務省(日本NGO連携無償資金協力)

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バルカン地域での活動終了のお知らせ

紛争を経験した社会を平和にするうえで重要となるのが、「和解」の問題です。紛争を経験した人々と社会が長期的に平和を持続するためには、「和解」が外から押し付けられるのではなく、その社会の内から自発的に生まれる必要があります。REALsは、異なる民族の人々がお互いに交流する機会を設けることで、和解の一歩を踏み出すきっかけづくりと持続する仕組みを作ってきました。

REALs
がバルカン地域において異なる民族間の和解と共存プロジェクを開始したのは2009年です。事業開始から3年目となる20111月からは、マケドニア中央部ペトロバツ郡で、7つの小学校と連携し、共同植林と清掃活動を通じた小学生および住民間の和解促進事業を1年間実施しました。この事業には、小学生、父兄、学校関係者計2,731人が参加し、約8,390株の苗木がペトロバツ郡内の約4ヘクタールに植えられました。

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事業終了後、今年5月にREALs東京本部スタッフがマケドニアに出張した際に面会したペトロバツ郡のゴルチェ郡長からは、「このプロジェクトは異なる民族が共同で行い、これまで難しかった異なる民族間のコミュニケーションが実にうまくできるようになった。プロジェクト実施前には考えられないことだった。これから子どもたちは夏休みに入るが、今後も毎年定期的に小学校で植えた木々の手入れをしていく予定だ。何よりも子どもたちのコミュニケーションの場がもっと作れるように継続していくので、今後の活動についての継続性には心配は無用だ、私に任せて欲しい。」との声が寄せられました。
また、ゴルチェ郡長は、「ペトロバツ郡の50人の異なる民族の子どもたちと共に姉妹都市であるスロベニア共和国のツェルクリエ市を訪問し、共同プロジェクトのことを紹介したところ、ツェルクリエの小学生も教員も大変大きな関心を持っていた。この成果は私たちの誇りであるとともに、REALsからの大きな贈り物であり、感謝する。」との声も寄せられました。

共同事業の効果として、事業地のゴミが減り、町の清掃活動が活発化したり、植えた木の苗に水やりを継続したりするといった例ように、子どもたちの緑化に対する意識が高まるなど、環境面での成果も高まったと判断しました。このように、REALsが過去3年間に活動したセルビアとマケドニアの全ての事業地で、REALs事業終了後も市や小学校が自ら予算を新たに割り当てて活動を継続することや、他地域の小学校に活動を広めるなどの決定をしています。共同プロジェクトに関わった教員や市長、市の職員たちが、民族問題を抱える地域に交流活動の紹介を自発的にする動きが広がりました。


私たちが当初想定した以上に支援の成果を広げる役割を担ってくれた現地の小学生、市・学校関係者、住民の一人ひとりを誇りに思うとともに、日本から活動を支えて頂いた会員、支援者、支援団体の皆さまに改めて感謝いたします。

※この事業は、会員および支援者のご寄付と、外務省日本NGO連携無償資金協力、MS&ADゆにぞんスマイルクラブからの支援により実施されました。

マケドニア 植林作業を通して民族間交流

REALs では 2011 1 月よりマケドニアで 新規事業として植林活動を開始しました。 この事業は、様々な民族の子どもたちが 一緒に植林を行いながら交流を深めることを目的としています。

マケドニアの首都スコピエの東方約 20 キロにあるペトロバツ郡の小学校の生徒、 教師、父兄の延べ1,500人から2,000人 を対象に、週に一度植林などに関するワー クショップを行います。そしてワークショップの次の日には植林を実施します。針葉樹やアカシアなどの木を 1 ヘクタールごとに約 3,500 本植える計画となっています。

マケドニア 植林作業を通して民族間交流<2011/6月〜8月の報告>

マケドニアの小学校が夏休み中の6月から3ヶ月間、REALsでは4月から5月に植えた苗木の水やりを行いました。

苗木の水やりは植林専門家を中心に、ペトロバツ郡の清掃部の職員の協力を得て、週に1度行いました。通常は給水車を使用しますが、35度から40度の猛暑日が続いた期間には消防車(放水車)も出動しました。45月に5cm程だった苗木も今は10-15cm程にまで成長しています。「60%が枯れずに成長していれば成功」といわれる植林活動ですが、ほぼ全ての苗木が枯れずに順調に成長しています。

8月末には日本の大学生が研修旅行でマケドニアを訪れ、ペトロバツ郡の約20人の小学生と5人の高校生とともに、共同清掃活動に参加しました。7人一組のグループに分かれ郡庁舎の周りの公園付近を清掃し、120リットルのゴミ袋約8袋分のゴミを回収することが出来ました。
ペトロバツ郡の学生は積極的に日本の大学生に英語で話しかけ、日本の文化や習慣、学校生活について質問していました。REALsの活動が始まる以前は交流がほとんどなかった異なる民族の子どもたちが、一緒になって日本人の学生に自分たちの国や文化について説明している姿は印象的でした。

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マケドニア 植林作業を通して民族間交流<2011/5/2-5/6の報告>

コチョ・ラツィン校でワークショップと同校の敷地内外の清掃活動を行いました。

ワークショップでは、分校を含む7つの学校で学ぶ生徒40名が各民族混合で8名ずつのグループとなり、植林専門家から植え付けについて指導を受けました。その後、樹木の名前についてのクイズ、折り紙、そして4ヶ国語(日本語、マケドニア語、アルバニア語、ボスニア語)による歌の練習をして交流を深めました。

清掃作業では、生徒とファシリテーター(世話人)、植林専門家、教師らが6人一組になり、軍手と熊手、手押し車を用いてコチョ・ラツィン校の敷地内外の清掃を行いました。軍手を手にした生徒たちは嬉々として我先にゴミを拾い集め、校舎の周りのゴミはまたたくまに一掃されていきました。清掃の様子を見ていた学校関係者や市民は、生徒たちが意欲的に清掃活動に取り組む姿に感心し、多民族の生徒が共同で作業する姿を喜んでいました。

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