アフガニスタンより退避した人からの感謝の声

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活動レポート

  • 緊急支援

アフガニスタンより退避した人からの感謝の声

2021年8月の首都カブール陥落以降、アフガニスタンではタリバンによる旧政府関係者、女性活動家、援助関係者、法曹、アーティストなどに対する脅迫、拉致、暴力、殺害などが多発しており、多くの人が命の危険から隠れ家を転々とし、長期間におよぶ潜伏生活を続けています。 

 

REALsはアフガニスタンで命の危機にさらされている人々への退避・保護支援を行っています。 

今回はREALsの支援で国外に退避した3人のアフガニスタン人の声をご紹介します。 

 

命の危険と息子を奪われる恐怖におびえた生活から抜け出し、心から安堵

-4歳の息子がいるシングルマザー

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長年国際機関のアフガニスタン現地スタッフとして、女性の自立支援に関わってきました。前政権が崩壊し、暫定政権から女性支援を理由に命を脅かされる日々が続き、怯えて暮らしていました。 

さらに、離婚した夫とその家族から「暫定政権下では子どもは夫の所有物だから息子を渡せ。お前も仕事内容を理由に罰せられるだろう。戦闘員と一緒に見つけに行く。」 と連日脅され、知り合いの家を転々とする潜伏生活を4ヶ月以上続けました。 

 

友人である映画監督ファジリ氏*のつながりでルミコ(REALs理事長、瀬谷ルミ子)から連絡があり、REALsに退避支援をしてもらうことになりました。
「もう私には息子しか残されていない。息子は私の全てなの、助けてほしい。」
毎日恐怖のなかでそう伝える私に寄り添い続けてくれました。
 

息子のパスポートが元夫に奪われていたため、出国までは本当に多くの困難がありました。暫定政権から私宛の裁判の出廷要請も出され、家族のもとにも戦闘員がやって来て、私の居場所を伝えなかった年老いた母は一時拘束されました。 

 

しかし、最終的にはREALsの支援により、私と息子がまず退避し、その後に危険な状態に置かれていた母と、10代の弟と妹も出国することができました。 

いまは親族が住むヨーロッパの国に到着し、この国で家族とともに新たな人生を歩むことができるようになりました。心から安堵し、感謝をしています。 

 

*ハッサン・ファジリ氏:映画「ミッドナイト・トラベラー」監督。制作したドキュメンタリーを理由に2015年に暫定政権から死刑宣告を受け、難民として5,600kmを旅してヨーロッパに脱出。
その途上を撮影した映画が「ミッドナイト・トラベラー」。2021年実施したREALsのクラウドファンディングで応援メッセージを寄せてくれた。 

「子どもたちがまた学校に通えるようになったことが何よりの励みです」

-40代男性の元国連職員

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かつて日本関係機関で働いていた男性(左から2番目)

私はアフガニスタンでかつて日本の関係機関で働いており、その時にルミコ(REALs理事長、瀬谷ルミ子)とも働きました。
その後は国連職員としてHIV予防を担当していましたが、出産計画と性に関する知識を女性に広めたという理由で身に危険が及びました。まず何とか妻と子どもたちを先に国外へ逃しましたが、全ての蓄えを使いました。

 

それまでの私は、地方出身で、頑張って勉強し、アフガニスタンの復興のために誇りを持って働き、家も建て、子どもたちと幸せな暮らしをしていました。それらを全て捨てて逃げるしかありませんでした。

ポケットにあるのは航空券も買えない数万円だけ。なんて人生だろう。

 

そんなとき、私のことを思い出し心配してくれたルミコから連絡が来たんです。本当に感激しました。共に涙を流しながら私の気持ちを聞いてくれ、助けることを約束してくれました。

その後、REALsの支援で出国し、ヨーロッパの国で家族と生きて再開して、共に暮らすことができています。子どもたちがまた学校に通えるようになったことが何よりの励みです。
REALsと日本の皆さんが、アフガニスタン人が最も困難な状況に置かれているこの時に支援をしてくれたことに感謝しています。

「久しぶりに家族で笑うことができた」「これからも祖国のためにできることを続けます」

-20代前半の女性活動家

私は10代なかばから地元メディアで女性の権利のため活動し、大学に通いながらラジオ局のマネージャーも務めていました。病気の父に代わり、家族の生活も支えていました。

政権崩壊の前から、女性の権利を訴える活動をしていたことを理由に暫定政権から脅迫を受け、拉致・暴行されたこともありました。昨年8月以降にに自宅を襲撃されて、私の写真をもって居場所を捜索されていると聞き、家族とも離れ離れで身を隠す生活が3ヶ月続きました。

 

私たち女性が20年かけて築いてきたものが一瞬にして崩れ去り、この先自分や家族がどうなっていくのか不安で毎日怯えて過ごしていました。しかし、このまま声を上げずにいたら本当に女性たちの存在が消されてしまうという思いで、その後も女性・女子の権利のための活動を続けました。

 

世界中のさまざまな機関や個人に助けを求めて連絡をしましたが、それに応えてくれたのはREALsだけでした。

私だけでも逃がそうとしてくれた家族にも危険が及んでいたなか、REALsは家族で一緒に退避する方法を考え、実現してくれました。昨年12月に国外退避して、久しぶりに家族で笑うことができた、その時の写真を送ります。

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本当は愛するアフガニスタンに残り、社会をより良くするために貢献したいという夢があった。

それが叶わなくなったことに今でも怒りと悲しみがあります。でも、これからも祖国のためにできることを続けます。いつかまたアフガニスタンに戻れる日が来ることを願っています。

 

※安全のため、写真の一部を加工しています。

 

 

REALsでは引き続き、アフガニスタンで命の危機にさらされている人への退避・保護支援を行っています。

アフガニスタン緊急支援

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