- アフガニスタン
女性に対する暴力撤廃の国際デー:女性の権利を主張しただけで命を脅かされる
11月25日は女性に対する暴力撤廃の国際デーです。
女性に対する暴力は、レイプをはじめとする性暴力や家庭内暴力などから、参政権の制限や就業における差別などまで多岐に渡ります。
たとえばREALsが活動するアフガニスタン。
2021年8月の政変までは女性に対する抑圧はあったものの、女性も大学で学び、社会で活躍することができました。しかし今は、女性は小学校以上の教育を受けられず、働くことも制限。さらに大学教授として女性に勉強を教えていたことで家族全員に死刑宣告を出された人や、女性の権利を主張したことで命を脅かされる人もいます。
REALsは2021年9月から、命の危険にある人の安全を確保し、第3国への国外退避を行う活動に取り組んでいます。3,000人を超える方から集まったご支援で、これまでに1,500人以上の安全を確保し、300人以上の国外退避を実現してきました。
国外退避した女性から届いた声
「アフガニスタンの女性を忘れないで。声になり、支えてほしい」
カブール陥落後、女性の権利のためのデモに参加するシャラーレさん(右から3番目)
REALsの支援で国外退避したひとり、シャラーレさんは10代から女性の権利について発信を行ってきました。インフルエンサーとして地元のラジオ局で番組を持つなど活躍していたことで、2021年8月、タリバンの復権により脅迫に遭い襲撃を受けました。
命を脅かされたシャラーレさんは過去に取材を受けた日本人の記者を通じて、REALsに支援を要請。当時の状況について、シャラーレさんはこう語ります。
「2021年8月15日、私の国アフガニスタンはタリバンの手に落ちました。タリバンの脅威から逃れるため、安全な避難場所を求め、家を失い孤独の中にいた私に、希望の扉が開かれました。日本の友人(アフガニスタン政変以前に彼女の活動を取材していた日本の新聞記者)を通じ、REALs理事長の瀬谷ルミ子さんを紹介されたのです。彼女と自らの脅威についてやり取りをしたのち、私は幸運にもREALsからの支援を受けることができました」
シャラーレさんの潜伏生活を支えるためにREALsは隠れ家を用意し、生活やビザ取得の支援を行いました。そしてシャラーレさんは2022年10月、ようやく安全な第三国へ避難することができました。
現在はイギリスでテレビ局のジャーナリストとしてアフガニスタンの人々のために発信を続けているシャラーレさんからのメッセージです。
「私の国の人々、特にアフガニスタンの少女たちを、根底から助け出せるようになりたいと、私は望んでいます。日本の親切な皆様、どうかアフガニスタンの女性たちとともに立ち上がり、声になり、支え、彼女たちのことを忘れないでいてください。 REALs、そしてアフガニスタンやイランでの困難な時期に私を支えてくださったすべての友人に心から感謝します」
一度は被害者になった女性が、次は自分が平和を担う立場になることで、様々な意見や提案が平和構築の場にもたらされることになります。
女性が参加した和平合意は15年後の持続率が35%上がることが分かっています。既存の和平合意の場で大半を占めてきた男性とは異なる立場の視点での意見を取り入れることで、和平合意がより幅広い層に対応するものになるからです。同様に市民社会や若者団体が参加した場合も、和平プロセスに良い影響があることが分かっており、若者の参加も大切です。
だからこそ、REALsは平和の担い手の育成には、女性と若者が参加することが重要だと考えています。
REALsはより多様な人々が平和に向けた取り組みに参加し、持続的な平和を実現していけるように、紛争地の人々とともに活動しています。