食料危機下のアフガニスタンで、22,838人に1ヶ月分の食料を配布

認定NPO法人REALs(リアルズ:旧日本紛争予防センター)は争いを予防し、人と人が共存できる社会をつくる国際NGO。ご寄付は寄付金控除の対象になります。

活動レポート

  • 緊急支援
  • アフガニスタン

食料危機下のアフガニスタンで、22,838人に1ヶ月分の食料を配布

 深刻な食料危機が続くアフガニスタンで、REALs(リアルズ)は2023年3月~6月、22,838人(4,030世帯)に1ヶ月分の食料を配布しました。

 

 国連人道問題調整事務所(OCHA)によれば、2022年1月から8月、アフガニスタンでは2,400万人が食料不足に直面しています。アフガニスタン全体が危機に陥るなかで、さらに食料調達が困難な立場に社会的に置かれている人たちがいます。

rpy87dy17fb01uc638fw03c5em-lssw6.jpg

食料配布に先立ち、戸別訪問をして生活状況などをヒアリング


 たとえば女性の就労は一部分野を除いて制限されています。未亡人の家庭など女性が世帯主を担って子どもを育てる家庭は特に深刻な影響を受けており、世界食糧計画による2022年4月の報告では、女性世帯主の家庭のうち実に97%が十分な食料を得られていません。

 紛争などにより居住地を逃れた国内避難民も厳しい状況に置かれています。避難により家や家財道具、家畜などほぼすべての財産を失っているだけでなく、特に地方から都市部に避難した場合、職業上求められるスキルの違いや経済の混乱による雇用の不足から就職先を見つけることも困難です。また、国内避難民の59%は18歳以下の子どもです(OCHA)。

n_epl-57974c6je-qwu9hczhs4z05zg1.jpg

配布会場で整理券と配布対象者の名簿を確認

 REALsは食料危機下のアフガニスタンで、以下を対象に事前調査を行い、特に危機的な状況にある方たちに食料支援を届けました。 

1.女性が世帯主の家庭 

2.国内避難民の世帯 

3.障がい者、高齢者、子供が世帯主の家庭 

4.生計手段を持たない/所得の低い世帯(月額4,000アフガニ以下) 

5.5歳以下の子ども、もしくは妊娠中・授乳中の女性がいる世帯 

6.慢性的な病気の人、もしくは身体障害者のいる世帯 

7.過去4ヶ月間、現金や食料などの支援を受けていない世帯

ar3-0wks3wb7g4ov3ra9ptpwwr0xu36-.jpg
食料配布会場にて

 食料配布を受け取った方たちの声

食料支援を受けて、わずかな収入を娘たちの教育に充てることができた

私は5人の娘と一緒に暮らしています。家は中庭の借家で壁はなく、冬の間は屋根から雨漏りがします。夫はある日、仕事から帰ってきませんでした。自爆テロに遭い命を落としたんだと思います。私は世帯主として毎日羊毛を紡ぐ仕事をしていますが、稼ぎで買えるのは数個のパンだけで、娘たちを満足に食べさせることはできません。

 

そんなときREALsから電話が来て、食料援助を受けられることになりました。食料が入ったバスケットを実際に受け取ったときは大きな喜びを感じました。ほとんどの食材が数カ月間は口にすることができなかったものでした。

 

また食料支援をいただいたことで、食費を娘たちの制服代に使うことができ、娘たちが学校に通えるようになりました。私のわずかな収入では娘たちの教育に割けるお金がなく、娘たちが勉強できないのを見るのはとても辛かったです。娘たちが学校に通い、授業を受けているのを見て、とても嬉しく思っています。
―クブラさん、40代の未亡人の女性

14種類の食料が夢かと思うほど嬉しかった

私は山の上の廃墟のような家で、6人の幼い子どもたちと未亡人になった義理の妹と一緒に暮らしています。20年ほど前、私は子どもだったときに地雷の爆発で片足を失いました。 体が不自由なのであまり仕事をもらうことができず、平日は1日か2日しか働けません。

今回14種類の食料を受け取ったときは、夢かと思うほど嬉しかったです。支援により家計が助けられたので、子どもの服や家の窓ガラスを買うことができるでしょう。遠いところにある私の家を訪れて、生活状況を細かく聞いていただいたことに心から感謝しています。
ーアブドゥルさん、体が不自由な男性


生活状況の調査を受けるアブドゥルさん一家

すばらしい食料を渡されて、自分の目を疑いました

私は80代の夫と一緒に借家で暮らしています。私たち夫婦に子どもはおらず、高齢で働くこともできないので、とても貧しい生活です。数年前から病気で夫の手は不自由になり、小さな作業も困難な状態で、収入はなくご近所さんから少しの食料を分けてもらっています。

  

REALsの調査を受けて、食料を受け取りに来るようにと言われたときは、とても嬉しかったです。私は地元の若者と一緒に食料を受け取りに行きました。渡されたのはすばらしい食料で、自分の目を疑いました。困っている人を助けてくれる人たちに良いことがありますように。
―カミラさん、70代の女性


2021年の政変後の社会・経済状況の混乱や、干ばつや地震などの災害、ウクライナ戦争による輸入作物の高騰など、アフガニスタンの食料危機には国内外の情勢が複雑に影響しています。人口の大半が危機に直面する状況のなか、REALsは特に困難な立場に置かれた方たちに支援を届けていきます。

 

どうぞ引き続きREALsのアフガニスタン緊急支援への応援をよろしくお願いします。

 

 本事業はジャパン・プラットフォームの助成と皆さまからのご寄付により実施しています。

【10月6日まで】1,000万円を目標にクラウドファンディングに挑戦中!
カブール陥落から2年、アフガニスタンにはいまも国外退避を必要とする人が取り残されています。REALsはこれまでに、294人の退避と700人の保護を実現しました。
いま、支援を続けていくために、ご支援をどうぞよろしくお願いいたします。

一覧に戻る

争い予防の仲間になりませんか?

毎月定額をご支援いただくマンスリーサポーターとして、争い予防の活動に加わりませんか?
継続的なご支援は、中東・アフリカ地域におけるREALsの活動を支え、
現地の人々の未来を作るとても大きな力となります。

マンスリーサポーターになる

月1,500円から、クレジットカードで簡単にご登録いただけます。

寄付で応援